コース別人事、持ちますか? ─ 高市総理が4・27に動かした人事改革の本命
2026-05-08
4月27日の経済財政諮問会議で総理が指示した『同一労働同一賃金の徹底』は、総合職/一般職、無期パート、限定正社員といった多くの企業の制度に直撃する。骨太2026の前段で投げ込まれた『人事の宿題』を、6本の制度シグナルとして整理する。
1. コース別人事に火がついた4月27日
経済財政諮問会議は2026年4月27日に第5回会議を開催し、人材力強化に関する2議題を正式に設置した。一つは民間議員4名(筒井義信、永濱利廣、南場智子、若田部昌澄)からの提言「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」、もう一つは上野厚生労働大臣(臨時議員)からの「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」である。両議題は骨太方針2026の人材戦略パートを規定する論点として位置付けられた。
注目すべきは、会議後の総理の動きである。高市早苗総理は関係大臣に対し『同一労働同一賃金の徹底による不合理な待遇差の是正』を強化するよう指示した。この一行は、多くの企業の人事制度に直接突き刺さる。
民間議員提言が指摘した構造を読むと、論点は明確になる。提言は「正社員と同様に、無期やフルタイムといった形で雇用されているにも関わらず、職場で『非正規雇用労働者』と呼称され、賃金が低く抑えられている方が数多く存在」と明記した。多くの読者が「非正規=パート・契約・派遣」という典型像でこの言葉を使うが、提言が想定しているのはそれとは別の層である。無期契約・週30時間以上就業・実態は正社員と同等業務でありながら、社内の呼称や処遇制度上の身分が「非正規」になっている雇用形態が対象である。
2. 「呼称ねじれ」── あなたの会社の制度のどこが狙われるか
民間議員資料はこの構造を、2024年と2025年の統計データで可視化した。
日本の女性雇用の『呼称ねじれ』
| 観点 | 事実 |
|---|---|
| 国際比較(2024年) | スウェーデン・米国・英国(週30時間以上就業)の女性正規比率を、日本(呼称上の正規比率)は大きく下回る |
| 日本独自の現象 | 『無期契約』『週30時間以上就業』しているにも関わらず『正規職員ではない(非正規)』と呼称される女性が一定程度存在 |
| 賃金カーブ(2025年・大卒女性) | 『非正規』就業者は勤続年数が伸びても所定内給与が伸びない(55-59歳でも約25万円台) |
| 『正規』就業者の賃金カーブ | 勤続年数とともに上昇し、55-59歳で月45万円超に達する |
総務省「労働力調査」、OECD Data Explorer、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」が一致して示すのは、「日本(呼称上の正規比率)」が「日本(無期雇用比率)」「日本(週30時間以上就業)」より大きく下にあるという事実である。スウェーデン・米国・英国の同年齢層と比べて、日本の女性は実際に長く働いているのに「正規」のカテゴリに入っていない。賃金カーブも勤続に応じて伸びず、55-59歳でも月25万円台にとどまる。
この構造は、企業内のいくつかの人事制度設計を直接の対象にする。総合職/一般職という旧来のコース別人事、限定正社員(地域限定正社員、職務限定正社員、勤務時間限定正社員)、無期転換後の旧パート・契約社員といった層である。「同一労働同一賃金の徹底」が法令レベルで強化された場合、これらの制度を維持できるか、賃金カーブから切り離された設計を是正できるかが、人事制度の論点として浮上する。
経団連の2026年4月公表資料がOECD調査を引用して示した、評価ツール3項目(労働者への報酬・目標設定・不十分な仕事への制裁)の導入率の格差──米国83%/74%/67%、EU 13%/19%/4%、日本 5%/9%/1%──は、「不合理な待遇差」を判定する評価制度そのものが日本に弱いことを示す。是正の前提にある「不合理かどうかを定義する評価の枠組み」をどう整備するかが並走する課題である。
3. 男性が家事を10分増やすと、妻の正規雇用が動く
提言は同時に、女性の正規雇用を阻む側にも因果効果を提示した。中央大学経済学部・阿部正浩教授の研究は、リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用いて45歳以下の子どもいる世帯の女性就業確率を推計した。
男性の働き方が女性の就業確率に与える効果(阿部正浩・中央大学)
| 男性側の変化 | 配偶者の『正規就業』確率 | 配偶者の『無業』確率 |
|---|---|---|
| 年間所得+1万円 | 変化なし | -0.02pp(1%水準) |
| 労働時間+1時間/日 | -0.09pp(1%水準) | +0.15pp(1%水準) |
| 家事育児時間+10分/日 | +0.04pp(5%水準) | -0.05pp(5%水準) |
出典:民間議員資料 p.6
数字は小さく見えるが、いずれも統計的に有意である。男性の労働時間1時間/日の増加と、家事育児時間10分/日の増加が、配偶者の正規就業に逆方向に効くことが確認されている。
さらに、「労働市場の未来推計」(中央大学・パーソル総合研究所、2024年10月)は、60代後半女性の労働参加率が2023年の43.7%から2035年に69.8%へと26.1ポイント上昇する見込みを示している。性年代別労働力率の上昇幅は女性60代が最大で20%pt以上を見込む。
人事の視点で読むと、この2つのデータは「男性育休取得率の公表義務化」の延長線にある。育休だけでなく、男性の労働時間と家事育児時間そのものが、女性の正規就業を支える指標として政策的に意味を持ち始めている。働き方改革の論点は「総労働時間の短縮」から「家庭側の時間配分」へと一段下りた。
4. 2050年に必要な能力は1.52、いまの採用要件は1.14
民間議員提言の第1章は「教育のOS転換」である。経済産業省「未来人材ビジョン」(令和4年5月)が示した「2015年と2050年で求められる能力」の対比が、その根拠として再掲された。
2015年と2050年で求められる能力(上位10項目)
| 順位 | 2015年 | スコア | 2050年 | スコア |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 注意深さ・ミスがないこと | 1.14 | 問題発見力 | 1.52 |
| 2 | 責任感・まじめさ | 1.13 | 的確な予測 | 1.25 |
| 3 | 信頼感・誠実さ | 1.12 | 革新性 | 1.19 |
| 4 | 基本機能(読み、書き、計算等) | 1.11 | 的確な決定 | 1.12 |
| 5 | スピード | 1.10 | 情報収集 | 1.11 |
| 6 | 柔軟性 | 1.10 | 客観視 | 1.11 |
| 7 | 社会常識・マナー | 1.10 | コンピュータスキル | 1.09 |
| 8 | 粘り強さ | 1.09 | 言語スキル:口頭 | 1.08 |
| 9 | 基盤スキル | 1.09 | 科学・技術 | 1.07 |
| 10 | 意欲積極性 | 1.09 | 柔軟性 | 1.07 |
2015年の上位10項目は注意深さ・責任感・信頼感・基本機能(読み書き計算)といった「正確に・早く・まじめに」処理する能力が中心だった。2050年に求められるのは、問いそのものを設定し、未知に対する予測を立て、新しい価値を作り出す能力である。OECDが職業の27%に自動化リスクがあると見立てている中、日本の公教育がそのまま2050年型のニーズに応じられる構造にはなっていない、というのが提言の出発点である。
提言はこの差を埋めるため、初等・中等教育段階から教育のOSを転換するため次期学習指導要領の改訂を進めるべきとした。重点項目には、個人の関心・課題探究型への転換、AIの活用を含む情報活用能力、自ら問を立てる起点力、学び方を学ぶ「メタスキル」、変化に対応できる多様な能力・視点、エドテックを活用した英語教育、異なる背景の人を束ねるリーダーシップが並ぶ。あわせて高校教育改革、高等専門学校の新設・拡充、大学の機能強化と量的規模の適正化、若手研究者・博士人材の処遇改善も提言された。
人事への直接的な含意は、最後の一節にある。提言は「あらゆる世代が持続的な社会参加と活躍に向けた学びを続けられる『全世代型教育システム』を構築する」とし、「企業も働き手が主体的にスキルを高め、円滑に労働移動が進むインセンティブを含んだ採用・雇用体系への転換を進めるべき」と明記した。AI基本計画も「初等中等教育段階から融合的な知見を有する人材育成」を掲げており、自民党AI白書2.0は「AI人材に明確な責任と権限を与え(ジョブ型組織)、AI人材と経営層の間の中間層を最小化(組織のフラット化)」する組織設計を提言している。
問われているのは、自社の採用要件・キャリア設計が2015年型のスコア表のままになっていないか、ということである。
5. AIが生産性を押し上げる、そして若手の入口を細くする
提言の経済的な裏付けは、AIによる生産性向上に関する6つの代表的研究のレビューである。
AI生産性研究レビュー(民間議員資料に再掲)
| 研究 | 対象 | 生産性効果 | スタンス |
|---|---|---|---|
| Goldman Sachs (2023) | 米国・欧州 | 米国生産性 +1.5pt/年、世界GDP +7%(7兆ドル) | 莫大な経済可能性 |
| McKinsey (2023) | 全産業 | 年2.6-4.4兆ドル付加価値、作業時間50%が2030-60に自動化 | 次の生産性フロンティア |
| Cazzaniga / IMF (2024) | 先進国・途上国 | 世界雇用約40%(先進国60%)に影響 | 格差拡大リスクを同等に重視 |
| Acemoglu (2024) | 主に米国 | TFP累計+0.66pt(10年)、米労働作業20%に影響 | 楽観論に批判的 |
| Aghion & Bunel (2024) | 主に米国 | 毎年0.8-1.3pt生産性、収益タスク10年で約80% | Acemogluより楽観 |
| 森川正之 (2025) JSPMI | 日本 | TFP +1pt前後、5年でAI実現なら年率+0.2pt | 産業・職種で効果差を強調 |
出典:民間議員資料 p.3
注目すべきは森川(2025)の日本データである。AI利用拡大が日本のTFPを1ポイント前後押し上げる試算は、潜在的なAI利用が今後5年間で実現した場合、年率換算で+0.2ポイントのTFP上昇率に対応する。事務職・低賃金労働者でAIによる将来の賃金低下リスクを意識する割合が高い(約30%)ことも示された。日本経済研究センターは、汎用人工知能(AGI)のソフトウェア活用とフィジカルAGIの組み合わせで、2030年代以降のTFP上昇押し上げ効果は10年代平均0.72%程度と試算している。
Goldman Sachs・McKinsey・IMF・Acemoglu・Aghionの5本も合わせて、研究のスタンスは楽観論と慎重論で大きく分かれる。共通しているのは、AIが「タスク」レベルで仕事の組成を変えるという認識である。
しかし、数字の総和としての楽観だけが現実ではない。Stanford AI Index 2026は、米国の22-25歳ソフトウェア開発者の雇用が2022年ピークから2025年9月までに約20%減少したという実証データを示している。同期間に26-50歳以上の開発者の雇用は増え続けており、若手だけが取り残された格好である。これは生産性向上の裏で、AIが若手のエントリー業務を代替する「世代偏向型技術変化」が進行していることを示唆する。米国へのAI研究者・開発者の流入は2017年比で89%減、直近1年で80%減という頭脳循環の地殻変動も観測されている。
人工知能基本計画は「AIの進展が雇用に与える影響について、産業構造や職種の変化を含めて丁寧に分析し、全ての世代が新しい働き方に適応できるよう、教育、リ・スキリング支援等の対策を講ずる」プロセスを継続的に実施するとしており、自民党AI白書2.0も内閣府と厚生労働省の連携による定期調査の必要性を明記している。
民間議員提言はこれを受け、「変化の激しい時代を見据えた環境整備」として「人材の流動化を図り生産性が高い企業への人材の移動を促す」ことと、個人に対する雇用のセーフティーネットを確保しつつ「労働市場の流動性、マッチング機能、リ・スキリング支援の在り方を総点検」する方向を示した。健康確保を大前提とした裁量労働制の拡充も提言された。
人事の視点では、若手のキャリア初期がAIに代替される前提でエントリーから3-5年の経験設計を再構築できるか、が課題として残る。
6. 厚労省が用意した『人事の道具立て』── 戦略17分野×認定研修と効果測定
民間議員提言が「方向性」だとすれば、上野臨時議員(厚労相)の資料8は具体施策のリストである。出発点は、日本の実質労働生産性の伸びが年代を追って下落してきたという事実である。
日本の労働市場の構造データ(厚労省資料)
| 指標 | 数値 | 示唆 |
|---|---|---|
| 実質労働生産性(年平均) | 1981-89年:約3.5% → 2010-24年:約0.8% | 賃上げのためにも省力化・成長投資による底上げが必要 |
| 転職希望者数 | 2014年:807万人 → 2024年:1,000万人(+193万人) | 希望は急増している |
| 転職者数 | 2014年:291万人 → 2024年:331万人(+40万人) | 実態は微増、希望と乖離 |
| 転職で賃金増加した者の割合 | 2014年:36.6% → 2024年:40.5%(+3.9pt) | 希望に応じた労働移動の支援価値が高まっている |
転職希望者と転職者の乖離(約670万人)は、人事に対する見方を変える数字である。転職で賃金が上がる人の割合は40.5%まで来ており、希望に応えられない側に企業がいるとも読める。
このデータの上に、厚労省は「戦略17分野」を中心とした一気通貫支援を打ち出した。業所管省庁と厚生労働省、経済産業省、文部科学省が連携して、スキルの標準化・可視化からリ・スキリングまでを一気通貫で支援する構造である。注目すべきは、教育訓練プログラムについて各分野等を所管する大臣が認定する制度を創設した場合、その適切性を所管省庁と厚労省が連携して精査した上で、専門実践または特定一般教育訓練給付金の対象とすることが検討対象に入った点である。専門実践教育訓練給付金は最大80%(年間最大64万円)が支給されるルートであり、認定研修制度が新設されればリスキリングコストの負担構造が変わる。
教育訓練給付金そのものの改革も予告された。「給付金の講座指定システムに効果把握のための機能を実装」「申請・審査プロセスについて検討」と明記された。「給付金は出したが効果が測定されていない」という長年の批判への応答だが、人事の側からみると「リスキリングを受講させた後、その効果を業務上トラッキングする仕組み」を企業内でも整備する必要が出てくる。
労働移動の円滑化に向けて、スキルの情報、教育訓練プログラム、職業情報のデータ連携強化も打ち出された。これは事業展開等リスキリング支援コースなど既存制度の上に積み増す方向であり、既に現場で使われている助成金の使い方が変わる予兆である。AI基本計画も「個々の従業員や労働者に対するAIリ・スキリングの取組を支援する」と明記しており、これらの制度群は今後さらに連携が進むと見込まれる。
7. 同時に動いた4つの制度シグナル
骨太2026に向けて4・27に投げ込まれた論点には、上記の他に4つの重要な制度シグナルが含まれている。
第一は、70歳までの就業確保支援拡充である。高年齢者雇用安定法の70歳就業確保措置は現在は努力義務だが、義務化の方向性が垣間見える。高齢従業員の処遇制度が再設計対象となる予兆として読める。
第二は、障害者雇用の「質」向上である。就労意欲ある障害者の能力発揮を促進するガイドライン創設、優良事業主認定制度の大企業への拡大・基準見直し、手帳を所持しない難病患者の就労促進が検討対象となった。法定雇用率という「数」だけでなく、定着率・キャリア進展・役割の質で評価される時代が予兆される。
第三は、中小企業向けの36協定締結支援充実である。働き方改革推進支援センターによる相談支援が拡充されると同時に、労働時間法制等に係る政策対応の在り方が多角的に検討される。中小企業の労働時間管理がより厳しく見られる方向である。
第四は、2040年問題である。高齢者人口がピークを迎える2040年頃に向けて、医療・介護・福祉分野の担い手確保のため、厚労省は3つの視点を提示した。
業務改革
AIの活用も含めた省力化、効率的な業務分担等を推進し、従事者一人当たりのケアの質と量の拡大を図る。
処遇改善
従事者の他職種と遜色のない処遇改善を継続的に図る。
人材養成
安定的な養成体制(大学・養成施設)の確保や働く環境の基盤整備、多様な人材の参入を促進する。
医療・介護・福祉現場の人事はこの3視点に直接対応するが、一般企業の人事も「フィジカルAI・ロボットによる労働節約的な生産性向上」という横断テーマと関係する。経団連の2026年4月公表報告書も「自社の方針に沿ったAIの『意思決定・設計・コントロール』をデザインするAI人材の確保・育成と、AIによる判断を正しく見極められる人材の確保」を課題として挙げている。
8. 人事の宿題6本 ── 4・27が骨太2026に向けて投げ込んだもの
ここまでで明らかなのは、4月27日の諮問会議が単なる「政策論議」ではなく、人事担当者の手元で動かす制度の射程を6つの方向で同時に拡げた、ということである。
4・27が投げ込んだ『人事の宿題』6本
| 論点 | シグナル | 人事側で問われること |
|---|---|---|
| ①コース別人事 | 『同一労働同一賃金の徹底』総理指示 | 総合職/一般職、無期パート、限定正社員の処遇制度が説明可能か |
| ②認定研修ルート | 戦略17分野×4省庁連携で認定教育訓練プログラム創設検討 | 事業展開等リスキリング支援コースの活用準備、認定が始まる前の自社研修体系の整備 |
| ③効果測定の仕組み | 教育訓練給付金の効果把握機能実装 | 受講記録だけでなく業務適用までトラッキングする社内仕組み |
| ④裁量労働制 | 対象拡大の方向性、労働時間法制の多角的検討 | 対象業務の整備・健康確保措置の体制準備 |
| ⑤70歳就業 | 就業確保支援拡充 | 高齢従業員の処遇制度再設計 |
| ⑥障害者雇用の『質』 | ガイドライン創設、優良事業主認定の大企業拡大 | 数の充足から、定着率・キャリア進展・役割の質への切替 |
第1の宿題が最も大きい。「同一労働同一賃金の徹底」を総理が指示した以上、コース別人事制度の合理性説明──総合職と一般職を分ける合理性、限定正社員の限定範囲と処遇差の合理性、無期転換後の旧パートと新規正社員の処遇差の合理性──が、改めて点検対象になる。経団連が示した「評価ツール導入率」の日米格差が示すように、不合理性を判定するための評価制度自体が日本では薄く、これらは同時並行で課題として残る。
第2と第3の宿題は連動する。戦略17分野の認定教育訓練プログラム制度が新設されれば、専門実践教育訓練給付金(最大80%)の対象が拡張され、社員のリスキリング負担構造が変わる。同時に給付金の効果把握機能が実装されれば、リスキリング受講後の業務適用をトラッキングする社内仕組みが評価軸になる。
骨太方針2026は通常6月に閣議決定される。今回の諮問会議は、その前段の論点装填の場として機能した。次の動きは6月の骨太閣議決定、その後の労働政策審議会・規制改革推進会議等での具体化、そして法改正の予兆として現れる。人事担当者にとっては、次の決算サイクルまでに自社制度の点検を進められるかどうかが問われる局面である。
▶出典(45件)
- 諮問会議4/27でAI×人材力強化と労働市場政策を骨太2026論点として正式設置(経済財政諮問会議(第5回)議事次第(2026年4月27日))
- 民間議員4名連名で「AIを前提」とした人材戦略提言を提出(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.1)
- 高市総理が同一労働同一賃金の徹底による不合理待遇差是正を関係大臣に指示(第5回経済財政諮問会議 記者会見要旨(2026年4月27日))
- 無期フルタイム「非正規」呼称問題と同一労働同一賃金徹底による構造的見直し(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.2)
- 日本では無期・週30時間就業でも「非正規」呼称、勤続に応じて賃金が伸びない(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.4)
- 評価ツール導入率: 米83%-67% vs 日5%-1% — ジョブ型蓄積差が背景(HR部門におけるAI等の活用に関する報告書, p.6)
- 阿部研究: 男性家事育児+10分/日で配偶者「正規就業」+0.04pp、男性労働時間+1h/日で「無業」+0.15pp(リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用いた研究(民間議員資料に再掲), p.6)
- 60代後半女性の労働参加率は2023:43.7%→2035:69.8%へ+26.1pt上昇見込み(労働市場の未来推計(2024年10月、民間議員資料に再掲), p.5)
- 2015年TOP10能力は注意深さ・責任感など正確性中心、2050年とは構造的に違う(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.2)
- 2050年に求められる能力TOP1は問題発見力(スコア1.52)、革新性・予測が続く(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.2)
- OECDの見立て:27%の職業に自動化リスク(AIホワイトペーパー2.0 ─ AI駆動型国家への構造転換─(案), p.23)
- 日本の公教育5つの構造的課題(受動的学習・均一性・苦手克服・和・記憶演算)(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.2)
- 次期学習指導要領で教育OSを転換、メタスキル・起点力・リーダーシップに重点(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.1)
- 高等教育で量的規模の適正化と出口の質保証、文理融合的探究を提言(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.1)
- 若手研究者・博士の処遇改善と海外留学派遣、伸ばすべき大学への優先配分を提言(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.2)
- 全世代型教育システム構築、単線型教育からの脱却と学位取得の弾力化(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.2)
- 国が主導してAI人材を「質・量とも」に育成・確保(人工知能基本計画(令和7年12月23日閣議決定), p.12)
- ジョブ型雇用と組織のフラット化を国家戦略として提言(AIホワイトペーパー2.0 ─ AI駆動型国家への構造転換─(案), p.23)
- 森川(2025): 日本TFP+1pt前後、5年でAI実現なら年率+0.2pt、事務職30%が賃金低下を意識(人工知能・ロボットと生産性・労働市場 ─産業間比較を中心に─(JSPMI Paper, 2025-1), p.3)
- 日経研AGI試算: 2030年代以降TFP上昇押し上げ効果10年平均0.72%(2075年 次世代AIでよみがえる日本経済(民間議員資料に再掲), p.3)
- GS試算: 米国労働生産性+1.5pt/年、世界GDP+7%(7兆ドル)、仕事の1/4が代替可能(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.3)
- McKinsey試算: 年2.6-4.4兆ドル付加価値、2030-2060年に作業時間の50%が自動化(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.3)
- IMF試算: 世界雇用約40%(先進国60%)が影響、AI準備度で生産性差・格差拡大リスクも重視(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.3)
- Acemoglu試算: 米国労働作業20%影響、TFP累計+0.66pt(10年)。楽観論に批判的(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.3)
- Aghion試算: 毎年0.8-1.3pt生産性、収益タスク10年で約80%、Acemogluより楽観(経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」, p.3)
- 若手ソフトウェア開発者(22-25歳)の雇用は2024年比約20%減(The 2026 AI Index Report, p.10)
- 米国へのAI人材流入は2017年比89%減、純流入もシンガポール等より低い(The 2026 AI Index Report, p.10)
- AI雇用影響を分析→教育・リスキリング支援を継続実施(人工知能基本計画(令和7年12月23日閣議決定), p.12)
- 内閣府×厚労省でエージェントAI労働市場影響を定期調査(AIホワイトペーパー2.0 ─ AI駆動型国家への構造転換─(案), p.23)
- 労働市場の流動性・マッチング機能・リ・スキリング支援の在り方を総点検(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.2)
- 健康確保を前提に、創造性発揮のための裁量労働制拡充を提言(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.2)
- 実質労働生産性は1981-89年:約3.5%/年→2010-24年:約0.8%/年へ持続的低下(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.2)
- 転職希望者2014:807万→2024:1000万、転職者は291万→331万で乖離拡大(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.2)
- 転職で賃金増加した者割合は2014:36.6%→2024:40.5%へ+3.9pt拡大(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.2)
- 戦略17分野×4省庁連携でスキル標準化〜リスキリングを一気通貫支援、認定制度創設検討(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.3)
- 教育訓練給付金の効果把握機能実装、人材開発支援助成金の手続効率化(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.3)
- スキル・教育訓練・職業情報のデータ連携強化、ハローワーク機能強化(アウトリーチ全所実施)(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.3)
- 令和8年3月2日支給要領 0100趣旨段落(人事計画型を初めて含めた版)(人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)支給要領(令和8年3月2日版), p.2)
- 個々の従業員・労働者へのAIリスキリング支援(人工知能基本計画(令和7年12月23日閣議決定), p.14)
- 70歳までの就業確保支援拡充、女性活躍企業向けアウトリーチ・伴走型支援検討(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.3)
- 障害者雇用「質」向上ガイドライン創設、認定制度の大企業拡大、難病患者就労促進(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.3)
- 中小36協定締結支援、柔軟労働時間制活用、労働時間法制の多角的検討(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.3)
- 2040年問題: 医療介護福祉の業務改革(AI省力化)・処遇改善・人材養成の3視点(経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」, p.4)
- フィジカルAI・ロボットによる労働節約と、その間の年齢・性差を超えた就業環境整備(経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料), p.2)
- AI人材論: AIをデザインする人材と判断を見極める人材の両立必要(HR部門におけるAI等の活用に関する報告書, p.30)
使用データ一覧
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諮問会議4/27でAI×人材力強化と労働市場政策を骨太2026論点として正式設置 | 2026年 | 経済財政諮問会議は2026年4月27日に第5回会議を開催し、人材力強化に関する2議題を正式に設置した。すなわち、民間議員からの提言「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(資料5)と、上野厚生労働大臣(臨時議員)からの「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」(資料8)である。本議題は骨太方針2026の人材戦略パートを規定する論点として位置付けられた。 | 経済財政諮問会議(第5回)議事次第(2026年4月27日) |
民間議員4名連名で「AIを前提」とした人材戦略提言を提出 | 2026年 | 民間議員4名(筒井義信、永濱利廣、南場智子、若田部昌澄)の連名で、「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」と題する提言が経済財政諮問会議に提出された(2026年4月27日付)。提言は『「AIを前提」として社会や産業、教育の在り方を再構築する時代に入っている』として、AI活用と人材育成・確保・流動化、人材総活躍を一体で進める方向性を示した。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.1 |
高市総理が同一労働同一賃金の徹底による不合理待遇差是正を関係大臣に指示 | 2026年 | 高市早苗内閣総理大臣は第5回経済財政諮問会議(2026年4月27日)において、関係大臣に対し「地域のレジリエンス」と「稼ぐ力」を高める投資の推進、ならびに「同一労働同一賃金の徹底による不合理な待遇差の是正」を強化するよう指示した。 | 第5回経済財政諮問会議 記者会見要旨(2026年4月27日) |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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無期フルタイム「非正規」呼称問題と同一労働同一賃金徹底による構造的見直し | 2026年 | 民間議員提言は、正社員と同様に無期やフルタイムといった形で雇用されているにも関わらず、職場で「非正規雇用労働者」と呼称され、賃金が低く抑えられている方が数多く存在することを指摘し、同一労働同一賃金の徹底による不合理な待遇差の是正など、構造的な見直しを推進することが重要とした。女性、シニアを含め誰でも働きやすい雇用環境の整備や、再就業を図る女性の正規雇用促進に資する男性の家事・育児参加の拡大を図るべきとも示した。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.2 |
日本では無期・週30時間就業でも「非正規」呼称、勤続に応じて賃金が伸びない | 2026年 | 民間議員資料の図1(女性の正規雇用比率の国際比較、2024年)は、日本では「無期契約」「週30時間以上就業」している女性のうち、「正規職員ではない(非正規)」と呼称される就業者が一定程度存在することを示した。日本(呼称上の正規比率)はスウェーデン・米国・英国(いずれも週30時間以上就業)を大きく下回り、日本(無期雇用比率)と日本(呼称上の正規比率)の差が「呼称上の非正規」の規模を示す。図2(雇用形態別にみた女性大卒の所定内給与と勤続年数、2025年)は、「正規職員ではない(非正規)」就業者は勤続年数に比して賃金が伸びないことを示した。出所は総務省「労働力調査」、OECD Data Explorer、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.4 |
阿部研究: 男性家事育児+10分/日で配偶者「正規就業」+0.04pp、男性労働時間+1h/日で「無業」+0.15pp | 2026年 | 阿部正浩(中央大学経済学部教授)の研究は、リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用いて、45歳以下の子どものいる世帯について女性の就業確率を被説明変数として推計した。男性の家事育児参加時間が10分/日増加すると、配偶者の「正規就業」確率が約0.04%上昇し(5%水準で有意)、配偶者の「無業」確率が約0.05%低下する(5%水準で有意)ことが示された。一方、男性の労働時間が1時間/日増加すると配偶者の「無業」確率が約0.15%上昇し、「正規就業」確率は約0.09%低下する(いずれも1%水準で有意)。 | リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)」を用いた研究(民間議員資料に再掲) p.6 |
60代後半女性の労働参加率は2023:43.7%→2035:69.8%へ+26.1pt上昇見込み | 2026年 | 「労働市場の未来推計」(中央大学・パーソル総合研究所、2024年10月)によれば、60代後半女性の労働参加率は2023年43.7%から2035年69.8%に上昇する見込み(+26.1ポイント)。性年代別にみた2035年の労働力率は2023年時点から全体的に上昇していく見込みで、女性の労働力率の上昇幅が大きく、特に女性60代は20%pt以上の上昇見込みとされる。 | 労働市場の未来推計(2024年10月、民間議員資料に再掲) p.5 |
労働市場の流動性・マッチング機能・リ・スキリング支援の在り方を総点検 | 2026年 | 民間議員提言は、変化の激しい時代を見据えた環境整備として「イノベーションが持続的に起こる土壌」を求めた。人材の流動化を図り生産性が高い企業への人材の移動を促し、なお残る硬直的な雇用構造を是正するとともに、労働者の仕事へのエンゲージメントを高め人的資本投資を促進するため、個人に対する雇用のセーフティーネットを確保しつつ、労働市場の流動性、マッチング機能、リ・スキリング支援の在り方を総点検すべきとした。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.2 |
健康確保を前提に、創造性発揮のための裁量労働制拡充を提言 | 2026年 | 民間議員提言は、創造性発揮を促し、成果に応じて報酬を得たい人が時に集中して働ける環境を整備する観点から、健康確保を大前提に裁量労働制の拡充を図るべきとした。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.2 |
フィジカルAI・ロボットによる労働節約と、その間の年齢・性差を超えた就業環境整備 | 2026年 | 民間議員提言は、人口減少が加速する中でも労働投入量の減少を緩和するため、フィジカルAIやロボットなど労働節約的な生産性向上を促進すべきとした。それらで代替されるまでの間は、特に年齢・性差にとらわれずに働きたい方が働ける環境整備を推進すべきとも示した。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.2 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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評価ツール導入率: 米83%-67% vs 日5%-1% — ジョブ型蓄積差が背景 | 2026年 | OECD調査の評価ツール3項目(労働者への報酬・目標設定・不十分な仕事に対する制裁)における導入率は、米国83%/74%/67%、EU 13%/19%/4%、日本 5%/9%/1%。米国は日本との差が特に大きい評価分野で活用割合が高く、ジョブ型雇用を前提とした人事制度のもとで評価基準が比較的明確であり、制度が長年運用されてきた結果、AI活用に必要なデータの蓄積が進んでいることが背景にあると考えられる。 | HR部門におけるAI等の活用に関する報告書 p.6 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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2015年TOP10能力は注意深さ・責任感など正確性中心、2050年とは構造的に違う | 2026年 | 経済産業省「未来人材ビジョン」(令和4年5月)が推計した「2015年に求められた能力」の上位10項目は、注意深さ・ミスがないこと1.14、責任感・まじめさ1.13、信頼感・誠実さ1.12、基本機能(読み、書き、計算等)1.11、スピード1.10、柔軟性1.10、社会常識・マナー1.10、粘り強さ1.09、基盤スキル(広く正確に早くできるスキル)1.09、意欲積極性1.09。記憶・基本機能・正確性が中心であり、2050年の問題発見力・革新性とは大きく異なる。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.2 |
2050年に求められる能力TOP1は問題発見力(スコア1.52)、革新性・予測が続く | 2026年 | 経済産業省「未来人材ビジョン」(令和4年5月)が労働政策研究・研修機構、世界経済フォーラム等の調査をもとに推計した「2050年に求められる能力」の上位10項目(平均1.0、標準偏差0.1のスコアリング)は、問題発見力1.52、的確な予測1.25、革新性1.19、的確な決定1.12、情報収集1.11、客観視1.11、コンピュータスキル1.09、言語スキル:口頭1.08、科学・技術1.07、柔軟性1.07。問題発見力が突出している。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.2 |
日本の公教育5つの構造的課題(受動的学習・均一性・苦手克服・和・記憶演算) | 2026年 | 民間議員資料が整理した日本の公教育に対する課題・懸念5点:①「所与の問に対する答えを探索する」教育は受動的な学習にとどまり、問題設定能力・創造性が育まれない。②「均一的な集団の中で」「一律の内容を」「一律のペースで」「一斉に」学ぶ形式は、人と異なる意見を言い出せず、異文化理解や個々人の興味関心の深堀りが制約される。③「苦手の克服を重視」する姿勢では、好き・欲求・夢中よりも苦手分野の克服に取り組み、学ぶ喜びを得にくい。④「和を重んじる」風土は周囲・相手に合わせるため、傑出したリーダーは生まれにくい。⑤「記憶と演算を重視」する内容は、人間の能力を上回るコンピューターの得意領域である。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.2 |
次期学習指導要領で教育OSを転換、メタスキル・起点力・リーダーシップに重点 | 2026年 | 民間議員提言は、初等・中等教育段階から教育のOSを転換するため次期学習指導要領の改訂を進めるべきとした。具体的に重点を置くべき要素として、個人の関心・課題探究型への転換、AIの適切かつ効果的な活用をはじめとした情報活用能力の抜本的な向上、自ら問を立て解決のために意思をもって動き物事を進める起点力、学び方を学ぶ「メタスキル」、変化に対応できる多様な能力・視点、自分で深堀り自分で正否を判断する力、エドテックを活用した英語教育の推進、異なる背景の人たちを束ねて動きを作るリーダーシップを挙げた。学習指導要領の改訂を待たずに可能なものから実践レベルの改革を進めるべきとも明記された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.1 |
高等教育で量的規模の適正化と出口の質保証、文理融合的探究を提言 | 2026年 | 民間議員提言は、本人の興味・関心を前提とした理工農・エンジニアリング・デジタル分野、地域に不可欠な医療・福祉・産業・インフラ分野等の人材確保に向け、18歳人口の減少への対応も含め、高校教育改革、高等専門学校の新設・拡充、大学の機能強化と量的規模の適正化を進めるべきとした。大学入試・カリキュラム改革にも取り組み、「出口における質の保証」「教育成果や質に関する情報提供」を強化するべきと明記した。文理融合的な探究(社会学・哲学・人間学含む)の必要性も指摘された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.1 |
若手研究者・博士の処遇改善と海外留学派遣、伸ばすべき大学への優先配分を提言 | 2026年 | 民間議員提言は、若手研究者や博士人材が魅力的な処遇の下、将来に対する不安なく研究に打ち込める環境の整備を求めた。さらに、わが国を世界有数の知的創造・イノベーション拠点とするため、学生・研究者の海外留学・派遣を進め、伸ばすべき大学へ優先的にリソースを配分すべきとした。脚注では大学に限らず高校段階からの奨学金事業の大幅拡充も重要と付記された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.2 |
全世代型教育システム構築、単線型教育からの脱却と学位取得の弾力化 | 2026年 | 民間議員提言は、あらゆる世代が持続的な社会参加と活躍に向けた学びを続けられる「全世代型教育システム」の構築を求めた。具体的には、高等教育を単線型教育から脱却させる改革(多様な高等教育の構築、大学・大学院での学位取得の弾力化、企業が採用・処遇において活用できるような認定制度を備えた学修単位の教育プログラムの提供等)を進めるとともに、企業も働き手が主体的にスキルを高め、円滑に労働移動が進むインセンティブを含んだ採用・雇用体系への転換を進めるべきとした。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料5「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて」(民間議員提出資料) p.2 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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OECDの見立て:27%の職業に自動化リスク | 2026年 | ホワイトカラーの業務のうち、単純・反復的な業務はエージェントAIが代替していく(OECDの見立てでは27%の職業に自動化リスクがあるとしている。この効率化・省人化の流れは、社会が生産性を高め、国際競争力を維持する上で避けることはできない。 | AIホワイトペーパー2.0 ─ AI駆動型国家への構造転換─(案) p.23 |
ジョブ型雇用と組織のフラット化を国家戦略として提言 | 2026年 | AI人材の能力を最大限引き出すためには、企業は組織設計も刷新しなければならない。AI人材に明確な責任と権限を与え(ジョブ型組織)、AI人材と経営層の間の中間層を最小化(組織のフラット化)して、迅速かつノイズの少ない意思決定を行う必要がある。我が国の雇用体系は、流動性が高まりつつあるとはいえ、メンバーシップ型の雇用制度と重厚な中間層をおくピラミッド型の組織構造が根強く、人材と組織についてAI時代に向けた根本的なパラダイムシフトが求められる。 | AIホワイトペーパー2.0 ─ AI駆動型国家への構造転換─(案) p.23 |
内閣府×厚労省でエージェントAI労働市場影響を定期調査 | 2026年 | 内閣府と厚生労働省は連携して、エージェントAI、生成AI等の進化と普及等が労働市場に与える影響を調査すること。調査は、技術の進化に応じて定期的に行うこと。 | AIホワイトペーパー2.0 ─ AI駆動型国家への構造転換─(案) p.23 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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国が主導してAI人材を「質・量とも」に育成・確保 | 2025年 | AIの利活用や開発を担うAI人材の育成・確保はAI社会実現のために必要不可欠である。特に具体的な付加価値を創出するためにも、AIに関連する基礎的・学術的な知見・知識を初等中等教育段階から向上させていくとともに、融合され得る産業等、様々な知見・知識についても広く有した人材の育成が重要となる。このため、国は主導して質・量ともにAI人材の育成・確保に取り組む。 | 人工知能基本計画(令和7年12月23日閣議決定) p.12 |
個々の従業員・労働者へのAIリスキリング支援 | 2025年 | AIに関するスキルについて、個々の従業員や労働者に対するAIリ・スキリングの取組を支援する。 | 人工知能基本計画(令和7年12月23日閣議決定) p.14 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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森川(2025): 日本TFP+1pt前後、5年でAI実現なら年率+0.2pt、事務職30%が賃金低下を意識 | 2026年 | 森川正之(2025)「人工知能・ロボットと生産性・労働市場 ─産業間比較を中心に─」(JSPMI Paper, 2025-1)は、AI利用拡大は日本のTFPを1%ポイント前後押し上げると分析した。仮に今後5年間で潜在的なAI利用が実現した場合、年率換算で+0.2%前後TFP上昇率を押し上げる試算。事務職・低賃金労働者でAIによる将来の賃金低下リスクを意識する割合が高く(約30%)、効果は確認されるが産業・職種により異なることを強調している。日本データに基づく数少ない研究の一つ。 | 人工知能・ロボットと生産性・労働市場 ─産業間比較を中心に─(JSPMI Paper, 2025-1) p.3 |
日経研AGI試算: 2030年代以降TFP上昇押し上げ効果10年平均0.72% | 2026年 | 民間議員資料の参考図は、日本経済研究センター「2075年 次世代AIでよみがえる日本経済」を引用し、次世代AI(汎用人工知能:AGI)を経営戦略立案や教育分野へ活用(ソフトウェアAGI)し、ロボット技術(フィジカルAGI)等の我が国が強みを持つ分野と結び付けることで、生産性の大幅な向上が可能であると示唆した。2030年以降のAGIによるTFP上昇押し上げ効果(生成AI+フィジカルAGIの合計)は10年代平均0.72%程度と試算されている。 | 2075年 次世代AIでよみがえる日本経済(民間議員資料に再掲) p.3 |
GS試算: 米国労働生産性+1.5pt/年、世界GDP+7%(7兆ドル)、仕事の1/4が代替可能 | 2026年 | Goldman Sachs (2023) は、生成AIが現在の仕事の最大1/4を代替する可能性があり、広くAIが採用されてからの10年間で米国の労働生産性を毎年1.5%ポイント押し上げ、AIは最終的に年間世界GDPを7%(7兆ドル)増加させると分析した。米国・欧州など、O*NETの職業データベース(約900職業)を分析対象とし、既存文献レビューによりO*NETの作業活動・タスクのうち生成AIが代替できるタスクを定め、影響を受ける仕事量を分析した。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.3 |
McKinsey試算: 年2.6-4.4兆ドル付加価値、2030-2060年に作業時間の50%が自動化 | 2026年 | McKinsey & Company (2023) は、AIは年間2.6兆ドルから4.4兆ドル相当の付加価値増加をもたらし、人間が作業に費やす時間の50%が2030〜2060年の間に自動化されると分析した。63の生成AIユースケースを分析し、O*NETで850の職業・2,100の業務を分析、ユースケースを全産業に適用した場合の経済効果を試算した。AIを「次の生産性フロンティア」(The next productivity frontier)と表現している。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.3 |
IMF試算: 世界雇用約40%(先進国60%)が影響、AI準備度で生産性差・格差拡大リスクも重視 | 2026年 | Cazzaniga et al. / IMF (2024) は、世界の雇用の約40%(先進国は約60%)のうち半数は悪影響、残りの半数はAIの生産性向上の恩恵を受けると分析した。AI準備度が高い国では、労働者を補完し、生産性や賃金を押し上げ、生産性の向上が著しい場合は経済成長率の上昇とほとんどの労働者の所得を増加させるとした。先進国へのプラス効果を認めつつ、格差拡大リスクを同等に重視するスタンスを取っている。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.3 |
Acemoglu試算: 米国労働作業20%影響、TFP累計+0.66pt(10年)。楽観論に批判的 | 2026年 | Acemoglu, D. (2024) は、AIは米国の労働作業の20%に影響し、今後10年間でTFPを累計で最大0.66%ポイント上昇させると分析した。タスクベースモデルによる理論的分析とタスクレベルのコスト削減からマクロ生産性効果を導出。AIのマクロ経済効果は無視できないが控えめとし、他の楽観的なAI予測に批判的な立場をとっている。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.3 |
Aghion試算: 毎年0.8-1.3pt生産性、収益タスク10年で約80%、Acemogluより楽観 | 2026年 | Aghion, P. and S. Bunel (2024) は、AIの導入が収益につながるタスクの割合は10年以内に約80%に増加するとし、今後10年間で毎年0.8〜1.3ポイント程度生産性を押し上げ、毎年0.68ポイント程度TFP上昇率を押し上げる(中央値)と分析した。Acemogluと同じタスクベースの枠組みを使いつつ、過去の技術革命(電気、IT)との比較分析も実施。Acemogluより楽観的なスタンスをとっている。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料6「AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて(参考資料)」 p.3 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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若手ソフトウェア開発者(22-25歳)の雇用は2024年比約20%減 | 2026年 | In software development, where AI's measured productivity gains are clearest, U.S. developers ages 22 to 25 saw employment fall nearly 20% from 2024, even as the headcount for older developers continues to grow. By September 2025, employment for software developers ages 22-25 had fallen close to 20% from its 2022 peak. | The 2026 AI Index Report p.10 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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米国へのAI人材流入は2017年比89%減、純流入もシンガポール等より低い | 2026年 | The number of AI researchers and developers moving to the U.S. has dropped 89% since 2017, with an 80% decline in the last year alone. While U.S. private AI investment reached $285.9 billion in 2025—more than 23 times the $12.4 billion invested in China—the U.S.'s ability to attract global AI talent is declining. The United States is a net importer of AI talent at only 1.22 per 10,000 LinkedIn members in 2025, behind Luxembourg (5.23), United Arab Emirates (4.40), Australia (1.79), Saudi Arabia (1.77), Switzerland (1.72), and Singapore (1.36). | The 2026 AI Index Report p.10 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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AI雇用影響を分析→教育・リスキリング支援を継続実施 | 2025年 | AIの進展が雇用に与える影響について、産業構造や職種の変化を含めて丁寧に分析し、全ての世代が新しい働き方に適応できるよう、教育、リ・スキリング支援等の対策を講ずるというプロセスを継続的に実施する。 | 人工知能基本計画(令和7年12月23日閣議決定) p.12 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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実質労働生産性は1981-89年:約3.5%/年→2010-24年:約0.8%/年へ持続的低下 | 2026年 | 厚生労働省「令和7年版労働経済の分析」によれば、日本の実質労働生産性の伸びは年代を追って低下している。1981〜89年(年平均)の約3.5%から、1990〜99年は約2.3%、2000〜09年は約1.2%、2010〜24年は約0.8%にまで低下している。賃上げのためにも、省力化・成長投資により労働生産性を高める必要があると整理された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.2 |
転職希望者2014:807万→2024:1000万、転職者は291万→331万で乖離拡大 | 2026年 | 厚生労働省資料によれば、転職希望者数(総務省「労働力調査」ベース)は2014年の807万人から2024年の1,000万人へ増加した(+193万人、+24%)。これに対し転職者数は2014年の291万人から2024年の331万人へ微増にとどまる(+40万人、+14%)。希望と実態の乖離(≒670万人)が拡大しており、希望に応じた労働移動を支援していく必要があると整理された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.2 |
転職で賃金増加した者割合は2014:36.6%→2024:40.5%へ+3.9pt拡大 | 2026年 | 厚生労働省「雇用動向調査」によれば、転職により賃金が増加した者の割合は2014年の36.6%から2024年の40.5%へ拡大した(+3.9ポイント)。賃上げの観点からも、希望に応じた労働移動の支援が重要と整理された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.2 |
戦略17分野×4省庁連携でスキル標準化〜リスキリングを一気通貫支援、認定制度創設検討 | 2026年 | 厚生労働省は、戦略17分野をはじめとした成長分野等を支える人材確保を支援するため、業所管省庁と厚生労働省、経済産業省、文部科学省が連携して、スキルの標準化・可視化からリ・スキリングまでを一気通貫で支援する方針を示した。17の戦略分野等を所管する省庁と業界団体等とが連携し、求められるスキルの標準化・可視化や教育訓練体系の整備に取り組むとともに、教育訓練プログラムを開発する。業界団体等による教育訓練プログラムの開発に対し、人材開発支援助成金も含めた支援の在り方について検討する。教育訓練プログラムについて各分野等を所管する大臣が認定する制度を創設した場合、その適切性について所管省庁と厚生労働省が連携して精査した上で、専門実践または特定一般教育訓練給付金の対象とすることを検討する。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.3 |
教育訓練給付金の効果把握機能実装、人材開発支援助成金の手続効率化 | 2026年 | 厚生労働省は、賃金上昇や処遇改善に資するリ・スキリングを支援するため、教育訓練給付金の講座指定のためのシステムに効果把握のための機能を実装するなど、同給付金の指定講座の効果把握や申請・審査プロセスについて検討する方針を示した。その上で、産業界・地域のニーズを踏まえたリ・スキリングを推進するため、教育訓練給付金及び申請手続の効率化を含めた人材開発支援助成金の制度の改善を検討する。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.3 |
スキル・教育訓練・職業情報のデータ連携強化、ハローワーク機能強化(アウトリーチ全所実施) | 2026年 | 厚生労働省は、17の戦略分野等の成長分野への労働移動を円滑化するため、スキルの情報、スキルに紐付いた教育訓練プログラム、職業に関する情報といったデータ連携の強化を行う方針を示した。あわせて医療・福祉等の分野のエッセンシャルワーカーの人材確保に向けて、ハローワークにおける「課題解決チーム」による求人者・求職者への一体的支援の拡充、病院や施設を訪問し求人開拓及び求人充足支援を行うアウトリーチ支援を全所で実施するなど、ハローワークの機能強化を進める。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.3 |
70歳までの就業確保支援拡充、女性活躍企業向けアウトリーチ・伴走型支援検討 | 2026年 | 厚生労働省は、企業における70歳までの就業確保や処遇改善に向けた支援の拡充方針を示した。多様な人材の労働参加促進策の一環として、女性活躍を加速化する企業向けアウトリーチ・伴走型支援、改正労働施策総合推進法等に基づく女性の就業環境改善に資するハラスメント対策・企業における女性の健康支援の取組の更なる周知・啓発も検討対象に挙げられた。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.3 |
障害者雇用「質」向上ガイドライン創設、認定制度の大企業拡大、難病患者就労促進 | 2026年 | 厚生労働省は、障害者雇用の「質」の向上に向け、就労意欲ある障害者の能力発揮の十分な促進等を示すガイドラインの創設、優良事業主の認定制度の大企業への拡大・基準見直し、手帳を所持しない難病患者の就労促進等について検討する方針を示した。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.3 |
中小36協定締結支援、柔軟労働時間制活用、労働時間法制の多角的検討 | 2026年 | 厚生労働省は、時間外労働の実態と上限規制の間の「隙間」がある実態を踏まえ、中小企業等において36協定や特別条項が適切に締結されるよう、36協定の締結や柔軟な労働時間制の活用について「働き方改革推進支援センター」等による相談支援を充実する方針を示した。良好な労働環境の整備、働く者の意欲・能力の発揮の観点から、心身の健康維持と従業者の選択を前提に、労働時間法制等に係る政策対応の在り方について多角的に検討するとされた。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.3 |
2040年問題: 医療介護福祉の業務改革(AI省力化)・処遇改善・人材養成の3視点 | 2026年 | 厚生労働省は、高齢者人口がピークを迎える2040年頃に向けて、生産年齢人口が減少する中でも地域に不可欠な医療・介護・福祉分野の担い手を確保し、現場が必要なサービスを提供し続けていくため、3つの視点で取り組むとした。①業務改革:AIの活用も含めた省力化、効率的な業務分担等を推進し、従事者一人当たりのケアの質と量の拡大を図る。②処遇改善:従事者の他職種と遜色のない処遇改善を継続的に図る。③人材養成:安定的な養成体制(大学・養成施設)の確保や働く環境の基盤整備、多様な人材の参入を促進する。さらに地域に不可欠な現場人材に加え、世界有数の知的創造・イノベーション拠点となるための創薬人材やインフラ維持のための災害対応人材などの専門人材を育成することも重要とされ、文部科学省等との連携を図ると明記された。 | 経済財政諮問会議(第5回)資料8「人材力強化(労働市場政策、人材育成)に向けた取組について」 p.4 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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令和8年3月2日支給要領 0100趣旨段落(人事計画型を初めて含めた版) | 2026年 | 事業展開等リスキリング支援コースでは、企業が持続的発展をしていくため、既存事業にとらわれず新規事業の立ち上げなどの事業展開に取り組み、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練等を実施するほか、企業内において業務の効率化や脱炭素化などを図るため、デジタルやグリーン分野の技術を有効に活用することができる人材を育成するための訓練等、企業内の人事及び人材育成に関する計画に基づき、労働者が今後従事することが予定される職務に関連する知識及び技能を習得させるための訓練等(以下「事業展開等に伴う訓練等」という。)を実施する事業主に対して助成を行うことにより、事業主によるリスキリングの実施を促し、もって企業内における労働者のキャリア形成を効果的に促進するとともに、企業の生産性の向上に資する。 | 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)支給要領(令和8年3月2日版) p.2 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
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AI人材論: AIをデザインする人材と判断を見極める人材の両立必要 | 2026年 | HR部門においても既存の定型的業務を中心にAI活用が進むことで、人が担うべき業務の見直しの可能性が大いに高まる。このため、自社の方針に沿ったAIの「意思決定・設計・コントロール」をデザインするAI人材の確保・育成と、AIによる判断を正しく見極められる人材の確保が課題となることを十分に踏まえたHR部門の要員管理が求められる。経団連は、HR部門におけるAI等の活用の好事例を収集し、情報共有を継続する。 | HR部門におけるAI等の活用に関する報告書 p.30 |
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