2026-04-17
データエンジニアが独立した日 ─ 経産省DSSv2.0が再定義するAX時代の職種
2026年4月改訂。データマネジメント類型の新設、ビジネスアーキテクトの刷新、コミュニケーションデザイナーの新設で、6類型17ロール体制へ
DX推進スキル標準が描く人材マップ
経済産業省・IPA「デジタルスキル標準 ver.2.0」(2026年4月16日)
1. 何が起きたのか ─ 4度目の改訂が目指す「AX対応」
経済産業省とIPAは2026年4月16日、デジタルスキル標準(DSS)ver.2.0を公表した。DSSは個人の学習と企業の人材確保・育成の指針として設計された政府の公式フレームワークで、2022年12月のv1.0公表以降、2023年8月・2024年7月に改訂され、今回が4度目の更新となる。
ver.2.0の特徴は、改訂の狙いに**AX(AIトランスフォーメーション)**が明示された初めてのバージョンであること。AIエージェント・生成AI・AIガバナンスといった、2024〜2025年に実務課題として浮上したテーマがスキル体系に組み込まれた。
ver.1.0とver.2.0の構造比較
| 項目 | ver.1.0(2022年12月〜2024年7月) | ver.2.0(2026年4月) |
|---|---|---|
| DX推進スキル標準の類型数 | 5類型 | 6類型(データマネジメント新設) |
| ビジネスアーキテクト類型 | 新事業開発/既存事業高度化/社内業務の3ロール | ビジネスアーキテクト/ビジネスアナリスト/プロダクトマネージャーの3ロール |
| デザイナー類型 | サービス/UX・UIの2ロール | サービス/UX・UI/コミュニケーションの3ロール |
| データエンジニアの所属 | データサイエンティスト類型 | データマネジメント類型に移管 |
| AI関連スキル | 機械学習・深層学習が中心 | AI実装・運用/AIガバナンスを明記 |
2. DX推進スキル標準の全体構造 ─ 6類型が並列で機能する
DSSは「DXリテラシー標準」(全ビジネスパーソンが身につけるべきスキル)と「DX推進スキル標準」(DXを推進する人材が担う役割とスキル)の2層で構成される。前者は経営層を含む全従業員が対象、後者は専門性を持ってDXに関与する人材が対象となる。
ver.2.0におけるDX推進スキル標準は、6つの類型で構成される。
DX推進スキル標準の6類型(v2.0)
| 類型 | 役割 | v2.0での変更 |
|---|---|---|
| ビジネスアーキテクト | 経営戦略を事業構造に翻訳しDXを牽引 | 3ロールを全面刷新 |
| デザイナー | 製品・サービスと体験の設計 | コミュニケーションデザイナー新設 |
| データサイエンティスト | データ解析・AIシステムの設計実装 | データエンジニアを分離 |
| データマネジメント | データの整備・ガバナンス・利活用促進 | v2.0で新設(3ロール) |
| ソフトウェアエンジニア | システム・ソフトウェアの実装運用 | 構造変化なし |
| サイバーセキュリティ | セキュリティリスクの抑制 | 構造変化なし |
DXの定義自体はデジタルガバナンス・コード3.0(2024年9月改訂)を参照する構造になっており、DSSは定義を独立に持つのではなく政府横断の文書体系と連動する設計思想が取られている。
3. 最大の変更点 ─ データマネジメント類型の新設
「データエンジニアが独立した」ことの意味
ver.2.0で最も構造的な変更は、データマネジメント類型の新設である。ver.1.0ではデータサイエンティスト類型の内部にデータエンジニアというロールが置かれていた。これをver.2.0では削除し、新設のデータマネジメント類型に移管した。
この変更の背景には、「AI・データ活用の価値は分析モデルだけでは決まらず、データ整備と仕組み化が独立した専門領域として必要」という認識の変化がある。生成AIの普及で学習用データの品質管理(AI-Ready化)やデータガバナンスが実務の律速になった現実を反映した改訂といえる。
データマネジメント類型の3ロール(v2.0新設)
| ロール | 担う業務 | 新設/移管 |
|---|---|---|
| データスチュワード | 事業ドメイン知識に基づくデータ品質の運用、事業部門でのデータ利活用促進 | 新設 |
| データエンジニア | 収集・統合・加工・提供のプロセス、データパイプライン設計実装 | データサイエンティスト類型から移管 |
| データアーキテクト | 事業戦略に沿ったデータアーキテクチャ設計、ガバナンスとの両立 | 新設 |
とりわけデータスチュワードは、IT部門の専門職ではなく事業部門に根ざす役割として定義されている点が特徴的である。データガバナンスの「現場浸透」を担う人材を、DXスキル体系の正規の職種として公式化した意義は大きい。
データアーキテクトは、全社横断のデータ利活用とガバナンスの両立を設計する責任者として新設された。EU AI Actや各国のAI規制が企業のデータ・AI管理体制に要件を課し始めた状況を踏まえた役割である。
4. ビジネスアーキテクト類型の刷新 ─ 旧3ロールの全面書き換え
ver.1.0 → ver.2.0 でロール名が全て変わった
ver.1.0のビジネスアーキテクト類型は「新事業開発」「既存事業の高度化」「社内業務の高度化・効率化」という3つのロールで構成されていた。これが全て変更された。
ビジネスアーキテクト類型のロール変更
| v1.0のロール | → | v2.0のロール |
|---|---|---|
| 新事業開発 | → | プロダクトマネージャー(プロダクトの責任者、ライフサイクル運営) |
| 既存事業の高度化 | → | ビジネスアナリスト(業務・組織・システムの分析、要求整理、利害調整) |
| 社内業務の高度化・効率化 | → | (ビジネスアーキテクトに統合)経営戦略を事業構造に翻訳しロードマップ立案 |
v2.0のビジネスアーキテクトは、経営戦略を全体最適の事業構造に落とし込み、変革のロードマップを立案する役割として再定義された。経営者の投資判断・意思決定支援を含む、より経営層に近い位置付けとなっている。
ビジネスアナリストは、プロダクト・プログラムにおける業務・組織・システムの分析を担い、要求の整理と実装担当者(エンジニア)への伝達、取組関係者間の利害調整を行う新ロールである。v1.0の「既存事業の高度化」を発展させ、ステークホルダー調整と要求定義の専門役割として独立させた形。
プロダクトマネージャーは、特定のプロダクトの責任者として企画から構築、継続的改善、ビジネス拡大までをライフサイクルで担い、明確な成果責任を持つ。デジタルサービスを継続成長させるのが典型的なDX成功パターンになった現実を反映し、プロダクトの成果責任者を独立ロールとして明示した。
なぜロール名が「プロダクトマネージャー」や「ビジネスアナリスト」という海外由来の呼称なのか
DSS v2.0は、海外のビジネス変革人材の中から異なる視点と専門性を生かし、組織に前向きな変化をもたらす代表的な役割としてビジネスアーキテクト/ビジネスアナリスト/プロダクトマネージャーをロールとして定義したと説明している。日本企業でのDXが個別プロジェクトから全社変革へと拡大する中で、国際的に通用する職種名に揃える意図が読み取れる。
5. デザイナー類型 ─ コミュニケーションデザイナーの新設
ver.2.0でもうひとつ注目される追加が、デザイナー類型におけるコミュニケーションデザイナーの新設である。サービスデザイナー・UX/UIデザイナーに続く3つ目のロールとして位置付けられた。
コミュニケーションデザイナーは、ステークホルダーやユーザーとのタッチポイントを横断し、ブランド理念やビジョンを言語化する役割を担う。一貫したメッセージングとビジュアル・コンテンツで製品・サービスの意義や使い方を正しく伝える体験を設計し、制作から運用までを統括する。
従来は外部のマーケティングエージェンシーや広告代理店に委ねられることが多かった領域が、DXスキル体系の内部に「社内人材として育成すべき役割」として位置付けられたことが実務への含意である。ブランドコミュニケーションとデータ活用(CRM・マーケティングオートメーション)が一体化した現代において、社内にこのスキルを保有する必要性が高まったとも読める。
6. 共通スキルリストの拡充 ─ AI時代のスキル体系
全類型に共通する「共通スキルリスト」は、5カテゴリー(ビジネス変革/データ整備・活用/テクノロジー/セキュリティ/パーソナルスキル)・13サブカテゴリーで整理されている。
AI実装・運用の明文化
ver.2.0では「AI実装・運用」が独立したスキル項目として整備された。学習項目例には、生成AI開発・活用、コーディング支援、ファインチューニング、AIエージェント、マルチモーダルAI、MLOps、AIOpsなどが含まれる。生成AIとAIエージェントが明示的に学習項目に組み込まれた点は、2024〜2025年の実務課題を反映したver.2.0の象徴的更新である。
AIガバナンスの正式化
ガバナンス体制の構築・運用スキルには、データガバナンスに加えてAIガバナンスが明示された。AI倫理、ガイドライン整備、責任あるAI管理、推進・運用が学習項目例に含まれる。EU AI Actや米国・日本のAI基本計画など、AIに関する各国規制が企業実務に及ぼす影響を踏まえた対応といえる。
デザインマネジメント実践の格上げ
組織変革を推進するスキルとして「デザインの考え方を用いた組織のマネジメント」が強化された。多様な関係者の視点を統合し、試行錯誤を通じて解決策をブラッシュアップする探索的アプローチを組織で運用するスキルで、デザイナー類型に限らず、ビジネスアーキテクト類型にも必要とされる横断スキルとして位置付けられている。
共通スキルリストの5カテゴリー・13サブカテゴリー
| カテゴリー | サブカテゴリー | v2.0の主な拡充 |
|---|---|---|
| ビジネス変革 | 戦略の理解とアーキテクチャ設計/プロダクトのマネジメント/変革活動のマネジメント/デザイン | デザインの考え方を用いた組織のマネジメントを強化 |
| データ整備・活用 | データ・AIの戦略的活用/AI・データサイエンス/データマネジメント | AI実装・運用、AIガバナンス、AI-Readyデータ整備を追加 |
| テクノロジー | ソフトウェア開発/デジタルテクノロジー | 生成AI、AIエージェント、IaC等の最新技術を学習項目に追加 |
| セキュリティ | セキュリティマネジメント/セキュリティ技術 | 運用・監視業務へのAI応用を追加 |
| パーソナルスキル | ヒューマンスキル/コンセプチュアルスキル | 構造変化は軽微 |
重要度マッピングの仕組み
各ロールに必要なスキルは、共通スキルリストから重要度を付けて抽出される。技術的側面のスキルはa(高い実践力と専門性)/b(一定の実践力と専門性)/c(知識として説明可能なレベル)/d(体系としての位置づけの理解)の4段階、パーソナルスキルは役割や状況に応じた実践力が必要な「z」で表現される。企業が人材を育成・採用する際、ロール別に必要なスキル項目と到達水準を一覧で確認できる設計である。
7. 人材戦略への含意 ─ 企業はv2.0をどう使うか
DSS v2.0の策定ねらいには、(1) リスキリングの促進、(2) 実践的な学びの場の創出、(3) スキルの見える化が掲げられている。想定する到達水準は、ITSS+「レベル4」相当、すなわち独力で業務を遂行でき、後進人材の育成も可能なレベルである。
マナビDXとの連動
経産省・IPAはデジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」で研修事業者の学習コンテンツとDX推進スキル標準を紐づけて可視化している。さらにIPAは個人のスキル情報を蓄積・可視化する「デジタル人材スキルプラットフォーム」の構築を進めている。v2.0の改訂は、単体のスキル定義だけでなく、学習コンテンツと個人スキル可視化基盤と一体で運用する設計である。
人的資本経営との接続
v2.0は、企業の人材確保・育成の指針として設計されている。企業は事業規模やDX推進度合に応じて一部のロールから整備すればよく、6類型17ロールすべてを揃える必要はない設計思想が取られている。人的資本可視化指針が求める「経営戦略と連動した人材戦略」の開示を行う際、自社のDX戦略とDSSの類型・ロールを紐づけて語ることで、投資家や従業員に対して人材ポートフォリオの設計意図を具体的に示せる。
2026年時点で変わった職種マップ
v1.0時代の「DX人材」像は、アナリティクス・機械学習・クラウド中心だった。v2.0が示すのは、AIガバナンスの実装責任者、事業部門に根ざすデータスチュワード、プロダクトの成果責任者、ブランドコミュニケーションのDX統合責任者といった、2026年時点のAX時代に必要な職種群である。企業がv1.0ベースの研修体系を運用している場合、v2.0への移行は単なるバージョンアップではなく、人材育成の根本設計の見直しを意味する。
AI人材戦略の全体像は「AI基本計画が描く人材戦略」で解説している。また、人的資本開示の指針との接続については「人的資本可視化指針2026年版」を参照されたい。
▶出典(24件)
- DSS v2.0を2026年4月16日公表(AI対応の大幅改訂)(デジタルスキル標準 ver.2.0)
- v1.0(2022/12)→2023/8→2024/7→v2.0(2026/4)(デジタルスキル標準 ver.2.0)
- 2つの標準で構成(リテラシー標準と推進スキル標準)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.3)
- DXリテラシー標準は全員、推進スキル標準は推進人材(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.6)
- DX推進スキル標準は6類型(v1.0の5類型から拡張)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.55)
- DX定義はデジタルガバナンス・コード3.0に準拠(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.3)
- データマネジメント類型を新設、AI実装・AIガバナンス拡充(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.4)
- データエンジニアをデータサイエンティスト→データマネジメントに移管(デジタルスキル標準 ver.2.0)
- データマネジメント新類型のロール①(現場浸透)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.63)
- データマネジメント新類型のロール③(全社設計)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.63)
- ビジネスアーキテクト刷新+デザインマネジメント実践を追加(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.4)
- BA類型のトップロール(戦略→事業構造への翻訳)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.63)
- BA類型の新ロール(業務分析・要求整理・利害調整)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.63)
- BA類型の新ロール(プロダクトのライフサイクル責任者)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.63)
- デザイナー類型にコミュニケーションデザイナー新設(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.4)
- デザイナー類型の新ロール(ブランド・メッセージング)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.63)
- 共通スキルリストは5カテゴリー×13サブカテゴリー(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.64)
- AI実装・運用スキル(生成AI・エージェント・MLOps)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.69)
- AIガバナンス項目を明示(AI倫理・責任あるAI管理)(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.69)
- デザインマネジメント実践を変革スキルに格上げ(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.67)
- 重要度評価はa/b/c/d/zの5段階(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.74)
- DSSの狙いはリスキリング・学びの場・スキル可視化(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.54)
- 想定到達レベルはITSS+「レベル4」相当(デジタルスキル標準 ver.2.0, p.55)
- マナビDXと紐づけ、個人のスキル可視化基盤も構築中(デジタルスキル標準 ver.2.0)
使用データ一覧
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
DSS v2.0を2026年4月16日公表(AI対応の大幅改訂) | 2026年 | 経済産業省とIPAは2026年4月16日、デジタルスキル標準ver.2.0(DSSver.2.0)を公表した。AX(AIトランスフォーメーション)の進展やデータ活用の重要性を受け、データマネジメントに関する改訂などを行った。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 |
v1.0(2022/12)→2023/8→2024/7→v2.0(2026/4) | 2026年 | DSSは2022年12月にv1.0として取りまとめられ、2023年8月・2024年7月に改訂が行われた。2026年4月のver.2.0は、技術革新や産業構造変化に合わせた継続的見直しの一環である。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 |
2つの標準で構成(リテラシー標準と推進スキル標準) | 2026年 | デジタルスキル標準は「DXリテラシー標準」(全てのビジネスパーソンが身につけるべきスキル)と「DX推進スキル標準」(DXを推進する類型や習得すべきスキル)の2種類で構成されている。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.3 |
DX定義はデジタルガバナンス・コード3.0に準拠 | 2026年 | DSSが前提とするDXの定義は、経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」(2024年9月改訂)に依拠する。DXは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義される。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.3 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
DXリテラシー標準は全員、推進スキル標準は推進人材 | 2026年 | DSSでは、デジタル技術を活用して競争力を向上させる役割を持つ企業等に所属する人材を対象としている。DXリテラシー標準は全てのビジネスパーソン(経営層含む)を対象とし、DX推進スキル標準は組織・企業において専門性を持ってDXの取組みを推進する役割を持つ人材(DXを推進する人材)を対象とする。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.6 |
DSSの狙いはリスキリング・学びの場・スキル可視化 | 2026年 | DX推進スキル標準策定のねらいは、DXを推進する人材の役割や習得すべき知識・スキルを示し、それらを育成の仕組みに結び付けることで、(1)リスキリングの促進、(2)実践的な学びの場の創出、(3)スキルの見える化を実現することである。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.54 |
想定到達レベルはITSS+「レベル4」相当 | 2026年 | DX推進スキル標準全体として、詳細なレベル評価指標は設定せず、育成の目標となりうる「独力で業務を遂行することが可能であり、後進人材の育成も可能なレベル」(ITSS+「レベル4」相当)を想定している。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.55 |
マナビDXと紐づけ、個人のスキル可視化基盤も構築中 | 2026年 | 経産省・IPAはデジタル人材育成プラットフォーム「マナビDX」において、研修事業者等が提供する学習コンテンツと「DX推進スキル標準」を紐づけて可視化している。さらにIPAは個人が持つスキル情報を蓄積・可視化する「デジタル人材スキルプラットフォーム」の構築を進めている。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
DX推進スキル標準は6類型(v1.0の5類型から拡張) | 2026年 | DX推進スキル標準は、企業や組織のDX推進において必要な役割群を6つの「類型」として定義する:ビジネスアーキテクト/デザイナー/データサイエンティスト/データマネジメント/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ。1つの部署が1つの類型を担う場合も、1つの部署が複数の類型を担うことも想定される。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.55 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
データマネジメント類型を新設、AI実装・AIガバナンス拡充 | 2026年 | 改訂第1の柱:DXに不可欠なテクノロジーとしてAI活用が進む中、さらなるAI・データ活用を推進するデータ整備や仕組み化、企業内の推進を担う類型として「データマネジメント」を新設。AI実装・運用やAIガバナンスに関するスキルを拡充した。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.4 |
データエンジニアをデータサイエンティスト→データマネジメントに移管 | 2026年 | v1.0ではデータサイエンティスト類型の中に「データエンジニア」ロールが含まれていたが、v2.0ではデータマネジメント類型の新設に伴いデータエンジニアロールをデータサイエンティスト類型から削除し、データマネジメント類型に統合した。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 |
ビジネスアーキテクト刷新+デザインマネジメント実践を追加 | 2026年 | 改訂第2の柱:個別事業やプロジェクトだけでなく、ビジネスモデル変革を推進するため、ビジネスアーキテクトのロールを見直し、ビジネス変革カテゴリーのスキルを拡充。組織変革において、様々な関係者の連携や共創をデザインのアプローチを用いて促す「デザインマネジメント実践」に関するスキルを追加した。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.4 |
デザイナー類型にコミュニケーションデザイナー新設 | 2026年 | 改訂第3の柱:デザイナーの活躍する領域を見直し、新たにコミュニケーション領域におけるロールとして「コミュニケーションデザイナー」を追加した。ステークホルダーとのタッチポイントを横断し、ブランド理念やビジョンを言語化・一貫したメッセージングで伝える体験を設計する役割を担う。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.4 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
データマネジメント新類型のロール①(現場浸透) | 2026年 | データスチュワード(v2.0で新設):事業ドメイン知識に基づき、データの品質・信頼性・安全性の確保に向けた運用を担うとともに、事業部門・現場組織におけるデータマネジメントの浸透・定着、およびデータ利活用の促進を担う役割。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.63 |
データマネジメント新類型のロール③(全社設計) | 2026年 | データアーキテクト(v2.0で新設):組織・事業全体のデータ構造や流れ、利活用のあり方を俯瞰し、事業戦略に沿ってデータライフサイクル全般を見据えたデータアーキテクチャを設計・継続的な見直しを行うことで、全社横断的なデータ利活用とガバナンスの両立を実現する役割。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.63 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
BA類型のトップロール(戦略→事業構造への翻訳) | 2026年 | ビジネスアーキテクト(ロール):組織や事業を俯瞰する立場から、経営戦略を全体最適の事業構造に落とし込み、これを実現する変革のロードマップ(プロダクト/プログラムポートフォリオ)を立案する。また、これに関する経営者の投資判断/意思決定の支援を行う。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.63 |
BA類型の新ロール(業務分析・要求整理・利害調整) | 2026年 | ビジネスアナリスト(v2.0新ロール):プロダクト/プログラムにおける業務・組織・システムの分析を担い、要求の整理と実装担当者(エンジニア)への伝達を行う。また、取組関係者のコミュニケーションハブとなり、利害調整を行う。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.63 |
BA類型の新ロール(プロダクトのライフサイクル責任者) | 2026年 | プロダクトマネージャー(v2.0新ロール):特定のプロダクト(製品・サービス)の責任者として企画から構築、その後の継続的改善やビジネスの拡大などライフサイクルでチームの運営を担う。また、明確な成果責任を持つ。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.63 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
デザイナー類型の新ロール(ブランド・メッセージング) | 2026年 | コミュニケーションデザイナー(v2.0で新設):ステークホルダーやユーザーとのタッチポイントを横断し、ブランド理念やビジョンを言語化。一貫したメッセージングとビジュアル・コンテンツで製品・サービスの意義や使い方を正しく伝える体験を設計する。制作から運用まで統括し、顧客データやフィードバックを活用してコミュニケーション施策を継続的に最適化する。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.63 |
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
共通スキルリストは5カテゴリー×13サブカテゴリー | 2026年 | 全類型に共通する「共通スキルリスト」は5カテゴリー・13サブカテゴリーで整理されている。5カテゴリーは「ビジネス変革」「データ整備・活用」「テクノロジー」「セキュリティ」「パーソナルスキル」。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.64 |
AI実装・運用スキル(生成AI・エージェント・MLOps) | 2026年 | AI実装・運用(v2.0で追加されたスキル項目):生成AI、AIエージェント、マルチモーダル、IoTなどのAIシステム開発を実装し、運用管理を現場定着させるスキル。学習項目例にAutoML・MLOps・AIOps、生成AI開発・ファインチューニング、AIエージェント、マルチモーダルAI、IoT・ロボティクスが含まれる。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.69 |
AIガバナンス項目を明示(AI倫理・責任あるAI管理) | 2026年 | ガバナンス体制の構築・運用(v2.0で拡充されたスキル項目):データ・AIの戦略的活用推進のために法規制や倫理の元でデータとAIの品質・信頼性を保つスキル。学習項目例にデータガバナンス(基盤、セキュリティ/プライバシー、データ連携、アーキテクチャ設計、運用・監視)に加えて、AIガバナンス(AI倫理、ガイドライン整備、責任あるAI管理、推進・運用)が明示された。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.69 |
デザインマネジメント実践を変革スキルに格上げ | 2026年 | デザインの考え方を用いた組織のマネジメント(v2.0で拡充):混沌とした複雑な業務課題に取り組むにあたって、関係者の多様な視点を統合し、新たなアイデアを創出することや、探索的アプローチにより試行錯誤を通じて改善を重ね、よりよい解決策へブラッシュアップするスキル。バックグラウンドの異なる関係者間の相互理解を促し、横断の共通のビジョン構築を通じて全員を同じベクトルに導くスキル。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.67 |
重要度評価はa/b/c/d/zの5段階 | 2026年 | 共通スキルリストの各スキル項目には、ロールごとに重要度が付与される。技術的側面のスキルはa(高い実践力と専門性)/b(一定の実践力と専門性)/c(知識として説明可能なレベル)/d(体系としての位置づけの理解)の4段階、パーソナルスキルは役割や状況に応じた実践力が必要な「z」で表現される。 | デジタルスキル標準 ver.2.0 p.74 |
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