100年以上の歴史を誇るキリンホールディングスは、祖業であるビール事業で培った「発酵・バイオテクノロジー」を核に、「食」から「医」、そして「ヘルスサイエンス」へと事業領域を大胆に拡張している。その羅針盤となるのが、2013年から経営の根幹に据える「CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)」経営だ。本稿では、キリンがなぜCSV経営に行き着いたのか、その理念の源流から東日本大震災という大きな転換点を経て、KV2027(キリングループ・ビジョン2027)へと至る軌跡を辿る。プラズマ乳酸菌の発見、TNFDへの先進的な取り組み、そして「人財が育ち、人財で勝つ」を掲げる人的資本経営まで、3つの事業ドメインとESG経営がどのように連動し、社会課題の解決と経済的価値の創出を両立させようとしているのか。その壮大な挑戦の全貌と、未来に向けた課題を深掘りする。
序章ービール会社が描く「健幸」の未来
2023年4月、キリンホールディングスは、オーストラリアのナチュラルヘルス企業ブラックモアズの子会社化手続きを進めると発表した[1]。買収総額は約1,700億円。これは、キリンの歴史においても最大級の戦略的投資の一つである。多くの人々が「キリン」と聞いて思い浮かべるのは、「一番搾り®」や「午後の紅茶」といった馴染み深い飲料だろう。そのキリンがなぜ、サプリメントやビタミン剤を手がける海外企業に巨額を投じるのか。
この問いの答えは、キリンが過去10年以上にわたって進めてきた壮大な変革の物語の中に隠されている。それは、単なる事業の多角化ではない。自社の存在意義そのものを問い直し、社会課題の解決を成長のエンジンとする経営哲学への転換である。その哲学こそが「CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)」経営だ[2]。
キリンが目指す姿は、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」こと[3]。そのビジョンの下、事業ポートフォリオは「食領域」「医領域」「ヘルスサイエンス領域」の3つに再編された[4]。ブラックモアズの買収は、この第三の柱であるヘルスサイエンス事業を飛躍させるための、極めて重要な一手だったのだ。
しかし、この変革の道のりは平坦ではなかった。その原点には、1世紀以上前に遡る醸造家たちの哲学があり、そして、国家的な悲劇の中から生まれた経営の覚醒があった。本稿では、キリンホールディングスという巨大企業が、いかにしてその理念を形成し、CSVという羅針盤を手に未来へと舵を切ったのか、その軌跡を深掘りしていく。ESG、人的資本経営という現代的な経営課題に、キリンがいかにして独自の答えを見出そうとしているのか。その挑戦の物語を紐解いていこう。
第一部 理念の源流ー130年のDNAとCSV経営への覚醒
企業の理念は、一朝一夕に生まれるものではない。それは、創業者の情熱、歴史の中で培われた価値観、そして時代の変化に対応する中で生まれた苦悩と決断の積み重ねである。キリンのCSV経営の根底にも、130年以上にわたる長い歴史の中で醸成されてきた独自のDNAが脈々と流れている。
横浜の湧水から始まった物語
キリンの歴史は、1870年(明治3年)、ノルウェー系アメリカ人のウィリアム・コープランドが横浜・山手の湧水豊富な地に開設した「スプリングバレー・ブルワリー」にまで遡る[5]。コープランドは、日本のビール産業の父とも呼ばれる人物だ。彼は良質な水にこだわり、当時最先端だったパスツールの低温殺菌技術をいち早く導入するなど[6]、創業当初から品質への徹底したこだわりを持っていた。この「品質本位」の精神は、現代のキリンにも受け継がれる最も重要な価値観の一つである。
しかし、コープランドの醸造所は経営難に陥る。その事業を救い、日本の近代産業として発展させたのが、三菱財閥の岩崎弥之助や、トーマス・ブレーク・グラバーといった明治の偉人たちだった。1885年、彼らの出資により「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」が設立され[7]、1888年に「キリンビール」が誕生した[8]。
この時、商標として採用されたのが、古代中国の伝説上の聖獣「麒麟」である。良いことがある前触れとして現れるとされる麒麟には、人々の幸せを願う気持ちが込められていた。グラバーは、この東洋の神秘的な聖獣をラベルデザインの中心に据えることを提案し、現在のキリンラベルの原型が作られた[9]。創業期から、単に商品を売るだけでなく、人々の「よろこび」に貢献したいという想いが、キリンのブランドには宿っていたのである。
1907年には、三菱財閥の支援を受け、日本企業「麒麟麦酒株式会社」として新たなスタートを切った[10]。ここから、キリンの本格的な成長が始まる。
「発酵・バイオテクノロジー」という生命線
ビール醸造の根幹は、酵母という微生物の働きをコントロールする「発酵」技術にある。キリンは、100年以上にわたり、この目に見えない生命の営みと向き合い、技術を磨き続けてきた。この過程で育まれたのが、「生への畏敬」という醸造哲学だ[11]。生命の神秘に学び、その価値を最大限に高めようとする思想は、やがてキリンの事業領域を大きく広げる原動力となる。
キリンの技術者たちは、ビール酵母の研究にとどまらず、様々な微生物や細胞の培養、制御技術を探求していった。この「発酵・バイオテクノロジー」こそが、キリンの競争優位性の源泉であり、コアコンピタンスとなった[12]。
その最初の大きな結実が、医薬事業への進出だった。1982年、一人の社員のレポートをきっかけに、キリンビール社内に医薬品研究開発部が新設された[13]。異業種からの参入は無謀とも思われたが、ビール醸造で培った細胞培養技術が、バイオ医薬品の開発に活かされた。通常10年以上かかるとされる新薬開発を約8年で成し遂げ、1990年に第一号医薬品を発売[13]。2008年には協和発酵工業と統合し、現在の協和キリンが誕生する。ビール会社から始まった挑戦は、今やグループの主要事業の一つにまで成長したのだ[14]。
この成功体験は、キリンに「発酵・バイオテクノロジー」という技術基盤があれば、食の領域を超えて社会に貢献できるという確信をもたらした。これが、後のヘルスサイエンス領域への展開[15]へと繋がる重要な布石となる。
転換点ー東日本大震災とCSV経営への覚醒
長年、キリンも他の多くの日本企業と同様に、CSR(企業の社会的責任)活動に熱心に取り組んできた。しかし、その活動は本業とは別の「社会貢献」として位置づけられることが多かった。この考え方を根底から覆し、社会課題の解決を事業そのものに統合する「CSV経営」へと舵を切る直接的なきっかけとなったのが、2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。
津波は、キリンビール仙台工場に甚大な被害をもたらした。製造設備は壊滅的な打撃を受け、敷地内には巨大な瓦礫の山が築かれた。多くの企業が被災地からの撤退を余儀なくされる中、キリン経営陣が下した決断は「復興」だった。それは、単に工場を再建するという意味だけではなかった。地域社会と共に再生するという強い意志の表れだった。
この復興プロセスは、キリンにとってCSV経営の本質を学ぶ実践の場となった[16]。社員たちは被災した地域住民と一体となり、瓦礫の撤去や復旧作業にあたった。全国のキリングループ社員からも多くの支援が寄せられた。そして、震災からわずか8ヶ月後、仙台工場は奇跡的な早さでビールの出荷を再開する。その一番搾りの缶には「復興応援 キリン絆プロジェクト」のロゴが記されていた。
この経験を通じて、キリンの経営陣と社員たちは痛感した。「社会が持続可能でなければ、企業も持続可能ではない。そして、持続的な社会貢献は、一時的な寄付やボランティアだけでは成し遂げられない。事業を通じて社会課題を解決し、経済的な価値と社会的な価値を同時に創造していく必要がある」と。
この気づきが、2013年の長期経営構想「キリングループ・ビジョン2015(KV2015)」において、CSVを経営の根幹に据えるという宣言に繋がった[17]。ハーバード大学のマイケル・ポーター教授らが提唱したCSVの概念[18]は、キリンが震災復興の中で肌で感じた実感そのものだった。ここに、キリンの新たな物語が始まったのである。
第二部 CSVパーパスの具現化ー3つの事業ドメインが織りなす価値創造
CSV経営への転換は、キリンの事業戦略を根本から変えた。社会課題をコストやリスクではなく、成長の機会と捉える。この視点から、キリンは自社の強みである「発酵・バイオテクノロジー」を最大限に活かせる領域として、「食」「医」「ヘルスサイエンス」の3つを新たな価値創造の舞台として設定した。2019年に発表された長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」は、この3領域で社会課題を解決し、「世界のCSV先進企業となる」[19]という野心的な目標を掲げた。
さらに、このビジョンを具体的な行動に落とし込むための指針として「CSVパーパス」が策定された[20]。これは、キリンが取り組むべき4つの重点課題「健康」「コミュニティ」「環境」「酒類メーカーとしての責任」を明確にしたものだ。このCSVパーパスに基づき、各事業がシナジーを生み出しながら、キリンならではの価値創造モデル[21]を駆動させている。
食領域ー伝統と革新で「よろこび」を醸成する
キリンの祖業であり、今も基盤となる食領域[22]。ここでは、伝統的なブランドの価値を磨き上げると同時に、社会の変化に対応した新しい価値提案が積極的に行われている。
ビール文化の再創造 国内のビール市場が縮小傾向にある中、キリンはビールの新たな魅力を提案し、市場の活性化に取り組んでいる。その象徴がクラフトビールへの注力だ。多様なビールを手軽に楽しめるディスペンサー「タップ・マルシェ」は、導入店舗数が10,000店を突破[23]。全国の小規模ブルワリーとも連携し、現在30社[24]、年内には40〜50社[25]への品質支援を行うなど、業界全体の裾野を広げる活動を展開している。こうした取り組みの結果、日本のクラフトビール市場は2021年比で115%に拡大した[26]。これは、単なる自社製品の販売増ではなく、ビール文化そのものを豊かにするというCSVの思想を体現している。
健康志向と多様な選択肢の提供 健康意識の高まりは、酒類メーカーにとって大きな課題であると同時に機会でもある。キリンは、アルコールの有害摂取根絶をCSVパーパスの重要課題[27]と位置づけ、ノンアルコール・低アルコール飲料のポートフォリオを強化。キリンビールのノンアルコール製品販売数量は2021年比で87%増[28]と大きく伸長している。オセアニア事業を担うライオン社でも、ノンアルコール製品の売上構成比を高める目標を掲げている[29]。これは、飲みたい人も飲めない人も、誰もが楽しめる社会を目指すというインクルーシブな視点に基づいている。
サステナブルな原料調達と地域共生 キリンのCSVは、サプライチェーンの上流にまで及ぶ。「午後の紅茶」の主要な茶葉産地であるスリランカでは、レインフォレスト・アライアンス認証の取得を支援[30]。小規模農家の生活向上と環境保全に貢献することで、高品質な茶葉の持続可能な調達を実現している。また、国内では、契約農家と共に日本産ホップの生産維持に取り組んでおり、その生産量は年間78トン[31]にのぼる。シャトー・メルシャンでは、長野県上田市の「椀子(まりこ)ヴィンヤード」が、事業として農業を営む場所としては唯一、環境省の「自然共生サイト」に認定される[32]など、ブドウ栽培を通じて生物多様性の保全にも貢献している。これらの活動は、自然の恵みに感謝し、その持続可能性を守ることが事業の根幹であるという、キリンの経営理念[33]を色濃く反映している。
医領域ー生命科学の力でアンメット・メディカルニーズに応える
協和キリンが担う医領域は、グループの成長を牽引する重要なエンジンだ。ここでのCSVは、治療法が確立されていない疾患に苦しむ人々に、画期的な新薬を届けること、すなわち「アンメット・メディカルニーズを満たす医薬品の提供」[34]に集約される。
グローバル戦略品の飛躍 協和キリンは、特に骨・ミネラル、血液がん、希少疾患といった領域[35]に注力し、グローバル・スペシャリティファーマとしての地位を確立しつつある。その象徴が、遺伝性疾患治療薬「クリースビータ®(Crysvita)」だ。この薬剤は世界46の国と地域で上市され[36]、協和キリン初のブロックバスター(年間売上1,000億円超)製品となった。この成功は、長年の研究開発投資と、グローバルな自販体制の確立[37]が結実したものである。
未来への投資ー遺伝子細胞治療への挑戦 協和キリンは、次なる成長の柱を育てるべく、最先端分野への投資を惜しまない。2024年1月に買収を完了したオーチャード・セラピューティクス社[38]は、遺伝子細胞治療(HSC-GT)という革新的な技術を持つ企業だ。これは、患者自身の細胞を用いて根本的な治療を目指すものであり、まさに「Life-changingな価値」[39]を創出する可能性を秘めている。オーチャード社の医薬品「Libmeldy」は、2024年にも米国で販売が開始される見込みだ[40]。この買収は、協和キリンが短期的な利益だけでなく、長期的な視点で人類の健康に貢献しようとする強い意志の表れと言える。
ヘルスサイエンス領域ー「免疫ケア」で未病領域を切り拓く
キリンの未来を最も象徴するのが、食と医の中間に位置するヘルスサイエンス領域だ。ここでは、疾病の予防や健康維持といった「未病」領域の社会課題に対し、科学的エビデンスに基づいたソリューションを提供することを目指している。その中核を担うのが、キリンが長年の研究の末に発見した独自素材「プラズマ乳酸菌」である。
世界初の発見から「免疫ケア」市場の創造へ キリンの研究者たちは、免疫の司令塔であるpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に世界で初めて働きかける「プラズマ乳酸菌」を発見した[41]。この発見は、キリンの免疫研究における画期的な成果であり、その功績は全国発明表彰の最高位である「恩賜発明賞」[42]や文部科学大臣賞[43]など、数々の栄誉に輝いている。
キリンは、この科学的資産を社会価値に変えるべく、「免疫ケア」という新しい習慣を社会に提案。機能性表示食品「iMUSE(イミューズ)」シリーズを発売し、飲料、ヨーグルト、サプリメントなど多様な形態で展開した。その結果、プラズマ乳酸菌シリーズの2023年の販売金額は目標であった200億円を達成した[44]。
さらに、キリンは自社製品にとどまらず、他社にもプラズマ乳酸菌を供給するオープン戦略を推進。パートナー企業は16社に増え、採用商品は59商品にまで拡大している[45]。これは、一社で市場を独占するのではなく、業界全体で「免疫ケア」という文化を醸成し、社会全体の健康に貢献するというCSVの発想に基づいている。賛同企業と共に立ち上げた「げんきな免疫プロジェクト」[46]も、その思想を広げるためのプラットフォームだ。
グローバル展開と新たな柱の育成 プラズマ乳酸菌の成功に安住することなく、キリンは次なるスペシャリティ素材の育成にも力を入れている。協和発酵バイオが手がける「シチコリン」(脳機能)や、タイに新工場を建設して生産を開始した「ヒトミルクオリゴ糖(HMO)」[47]などがその候補だ。
そして、この領域のグローバル展開を加速させるための大きな一手が、前述のブラックモアズ買収である。ブラックモアズはアジア・オセアニア地域で高いブランド力と広範な販売網を持つ。キリンが持つ素材開発力と、ブラックモアズが持つコンシューマービジネスの知見を融合させることで、大きなシナジーが期待されている。
ただし、このヘルスサイエンス事業はまだ投資フェーズにある。2023年度の事業利益は125億円の赤字[48]であり、資本市場からはその収益性に対して厳しい視線が注がれている[49]のも事実だ。この新しい柱をいかにして収益化し、持続的な成長軌道に乗せるかが、キリンの喫緊の課題となっている。
第三部 持続的成長の基盤ー環境、社会、そして人への投資
キリンのCSV経営は、3つの事業ドメインにおける価値創造活動と、それを支える強固なESG(環境・社会・ガバナンス)経営の両輪によって駆動している。特に、地球環境への深い配慮と、多様な人財が活躍できる組織づくりは、キリンの持続的成長に不可欠な基盤と位置づけられている。
環境(E)ーネイチャー・ポジティブを牽引する先進的取り組み
キリンの経営理念は「自然と人を見つめるものづくり」[33]から始まる。自然の恵みなくして事業が成り立たないことを深く理解するキリンにとって、環境経営はCSV経営そのものである。
気候変動へのリーダーシップ キリンは、気候変動を事業に対する最重要リスクの一つと捉え、野心的な目標を掲げている。2022年には、世界の食品企業として初めて、科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)から「SBTネットゼロ」の認定を取得した[50]。これは、2050年までにバリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出量を実質ゼロにするというコミットメントである[51]。
その達成に向けた具体的な取り組みも加速している。キリンビールでは、2024年までに国内の全工場および全営業拠点で、購入電力の100%を再生可能エネルギーに切り替えることを達成した[52]。グループ全体でも、使用電力の再生可能エネルギー比率は27%[53]に達している。こうした努力の結果、グループ全体のGHG排出量(Scope1+2)は2019年比で31%削減された[54]。
自然資本と生物多様性への貢献 キリンの環境経営は、気候変動対策にとどまらない。生物多様性や水資源といった「自然資本」の保全にも先進的に取り組んでいる。2022年、国内の食品・医薬品業界で初めて「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フォーラム」に参加[55]。TNFDが開発したLEAPアプローチを用いた試行的な情報開示を世界に先駆けて実施するなど[56]、ルール形成の段階から積極的に関与している。
前述のシャトー・メルシャン椀子ヴィンヤードの「自然共生サイト」認定[57]は、事業活動と生物多様性保全の両立を目指す「ネイチャー・ポジティブ」の思想を具現化した象徴的な事例だ。水資源に関しても、水ストレスの高い製造拠点における用水使用原単位の削減目標[58]を設定し、着実な改善を進めている。
循環型社会の実現に向けた容器包装戦略 飲料メーカーにとって、容器包装は避けて通れない環境課題だ。キリンは、2027年までに国内のPETボトルにおけるリサイクル樹脂の使用率を50%に高めるという高い目標を掲げている[59]。2023年時点での実績は28%[60]であり、目標達成に向けたさらなる努力が求められるが、軽量化やラベルレス化など、多角的なアプローチでプラスチック使用量の削減に取り組んでいる。また、紙製容器包装においても、FSC認証紙や古紙の使用を推進しており、キリンビールやメルシャンでは使用率100%を達成している[61][62]。
社会(S)ー多様なステークホルダーとの共生
CSV経営は、顧客や株主だけでなく、従業員、サプライヤー、地域社会といったあらゆるステークホルダーとの関係性の中に価値を見出す。
酒類メーカーとしての責任 キリンは、アルコールの有害摂取の根絶をグローバルな課題として捉え、適正飲酒の啓発に力を入れている。飲酒運転根絶に向けた「ハンドルキーパー運動」の推進[63]や、純アルコール量のラベル表示[64]など、具体的なアクションを通じて責任ある飲酒文化の醸成を目指している。
人権を尊重するサプライチェーン グローバルに事業を展開する企業として、サプライチェーンにおける人権リスクへの対応は不可欠だ。キリンは「キリングループ人権方針」を改定し[65]、人権デューデリジェンスの仕組みを強化。特に人権リスクが高いとされる農産物(例:アルゼンチンのブドウ果汁)については、第三者機関による実地監査を行う[66]など、サプライヤーと協働して人権課題の解決に取り組んでいる。
コミュニティとのつながり キリンは、事業を通じて人と人とのつながりを創り、社会に前向きな力を生み出すことを目指している[67]。長年にわたるサッカー日本代表のサポート活動はその一例だ。親子で参加できる「キリンファミリーチャレンジカップ」[68]は、スポーツを通じて家族や地域の絆を深める場を提供しており、参加者からは「人・社会とのつながり」を強く感じたという声が97.8%[69]にのぼる。
人的資本経営ー「人財が育ち、人財で勝つ」組織へ
キリンの価値創造の最大の源泉は、言うまでもなく「人」である。CSV経営を加速させ、食・医・ヘルスサイエンスという多様な事業領域でイノベーションを創出し続けるためには、多様な専門性を持つ人財が挑戦し、成長できる組織風土が不可欠だ。キリンは「人財が育ち、人財で勝つ」[70]というビジョンを掲げ、人事の基本理念である「人間性の尊重」[71]に基づき、人的資本経営を強力に推進している。
多様性を力に変えるダイバーシティ&インクルージョン キリンは、多様な価値観や視点の違いが新たな力を生むという信念(“One KIRIN” Values - 多様性[72])に基づき、D&Iを経営戦略の中核に位置づけている。特に、女性活躍推進は重要なテーマだ。日本国内における女性経営職比率は2023年時点で13.6%[73]と、まだ道半ばではあるが、2024年には15%[73]という目標を掲げ、計画的な育成と登用を進めている。
また、組織に新たな視点と専門性をもたらすキャリア採用にも力を入れており、2023年の国内キャリア採用比率は45.4%[74]に達した。これは、同質性の高い組織から脱却し、多様なバックグラウンドを持つ人財がシナジーを生み出す組織へと変革しようとする強い意志の表れだ。
挑戦を促す組織風土と成長支援 従業員一人ひとりが自律的にキャリアを築き、挑戦できる環境づくりにも注力している。その象徴的な取り組みが、グループの全従業員が参加できるビジネスコンテスト「キリングループ・アワード」だ。2024年には延べ10,890人[75]もの応募があり、従業員の挑戦意欲の高さを示している。
また、従業員の視野を広げ、新たなスキル獲得を促す「越境体験」も奨励されている。グループ内・外での副業を認める制度では、これまでに69人[76]が経験。こうした経験が、組織の壁を越えたコラボレーションやイノベーションの土壌を育んでいる。
エンゲージメント調査における「持続可能なエンゲージメント」スコアは70[77]、2024年には75%[77]を目指しており、理念への共感と働きがいを両立させる組織づくりが進められている。
DX人財の育成 事業変革を加速させる上で、デジタル技術を活用できる人財の育成は急務だ。キリンは、全社員を対象とした大規模なリスキリングプログラム「DX道場」を展開。2023年末までに1,800人[78]が受講し、計画を1年前倒しで達成するなど、大きな成果を上げている。これにより、データに基づいた意思決定や業務プロセスの効率化が、現場レベルで自律的に進む文化が醸成されつつある。
第四部 価値創造を支えるガバナンスと未来への挑戦
CSV経営という壮大な航海を成功に導くためには、強力なエンジン(事業)と正確な羅針盤(理念)だけでなく、船全体を的確に操舵する堅牢なガバナンスが不可欠だ。キリンは、取締役会の実効性向上、中長期的な価値創造を促す役員報酬制度、そして資本市場との建設的な対話を通じて、持続的な企業価値向上を目指している。
実効性の高いコーポレート・ガバナンス
キリンのガバナンス体制の最大の特徴は、その独立性と多様性にある。取締役会は全12名のうち7名が独立社外取締役であり、その比率は58.33%[79]に達する。女性取締役も3名[80]おり、多様な視点からの監督機能が確保されている。
取締役会は、単なる決議機関ではない。2022年の最重要議題は「事業ポートフォリオの最適化」[81]であり、キリンの未来を左右するヘルスサイエンス事業の戦略[82]など、経営の根幹に関わるテーマについて、社内外の取締役が活発な議論を交わしている。2024年からは、これまで議事録に残されなかった意見交換の内容も記録されるようになり[83]、議論の透明性と実効性はさらに高まっている。
役員報酬制度も、長期的な企業価値向上を意識した設計となっている。代表取締役CEOの報酬構成は、固定の基本報酬が30%[84]であるのに対し、中長期インセンティブである株式報酬が40%[85]を占める。これにより、経営陣のインセンティブが、短期的な利益追求だけでなく、株主と共有する長期的な価値創造に向けられるようになっている。
こうしたガバナンス体制は、時に難しい経営判断を支える基盤ともなる。2023年に完了したミャンマー事業からの撤退[86]は、人権リスクや事業環境の変化を総合的に勘案した上での苦渋の決断だった。こうした複雑な意思決定を、透明性の高いプロセスで断行できたのは、実効性のあるガバナンスが機能していた証左と言えるだろう。
財務戦略と資本市場との対話
CSV経営の成果は、最終的に財務的な価値として株主や投資家に還元されなければならない。キリンは、資本効率を重視した経営指標としてROIC(投下資本利益率)を掲げ、10%以上[87]を目標としている。2023年の実績は8.0%[87]と目標には未達だが、資産圧縮を進める一方で、ブラックモアズやオーチャードの買収といった成長投資を優先した結果であり、その戦略的な意図を資本市場に対して丁寧に説明している。
株主還元も重視しており、基本方針として平準化EPSに対する配当性向40%以上[88]を掲げている。2023年度の年間配当は前期から2円増配の71円[89]となり、着実な株主還元の姿勢を示した。
2023年度の売上収益は過去最高の2兆円超[90]を達成し、事業利益も過去最高を記録[91]するなど、本業の収益力は堅調だ。特に、医薬事業の利益貢献[92]と、海外事業が事業利益の半分以上を占める[93]ようになったポートフォリオの変革は、キリンの収益構造が大きく変化したことを示している。
未来への挑戦ー残された課題
CSV経営という新たな航海図を手に、キリンは着実に前進している。しかし、その前途にはいくつかの大きな挑戦が待ち受けている。
第一に、最大の課題はヘルスサイエンス事業の収益化である。プラズマ乳酸菌は大きな成功を収めたが、事業全体としては依然として投資フェーズにあり、2023年度も赤字[48]が続いている。特に、買収したブラックモアズとのシナジーを早期に創出し、グローバル市場で確固たる地位を築けるかが問われる。協和発酵バイオも2年連続の減益[94]となっており、事業構造の抜本的な改革が急務だ。
第二に、グローバル経営の深化である。事業利益の半分以上を海外が稼ぎ出す[93]ようになった今、多様な国・地域の事業を束ね、グループ全体としてのシナジーを最大化するグローバル・ガバナンス体制の構築が不可欠となる。各地域の文化や市場特性を理解し、現地法人を率いることができるグローバル人財の育成も待ったなしの課題だ。
第三に、CSV経営のさらなる浸透と進化である。CSV経営を掲げて10年が経過したが、これを単なるスローガンではなく、3万人の全従業員[95]の日々の業務にまで落とし込み、自律的なイノベーションに繋げていく必要がある。環境や社会の変化はますます速くなっており、マテリアリティ(重要課題)を常に見直し、CSV経営そのものを進化させ続けることが求められる。
結論ー「よろこびがつなぐ世界へ」
横浜の小さな醸造所から始まったキリンの物語は、130年以上の時を経て、今、大きな転換期を迎えている。その核心にあるのは、祖業から受け継がれる「発酵・バイオテクノロジー」という揺るぎない技術基盤と、「生への畏敬」という生命科学への深い洞察だ。そして、東日本大震災という未曾有の国難を経て、社会課題の解決こそが企業の持続的成長の源泉であるという「CSV」の思想にたどり着いた。
キリンの挑戦は、単なる事業の多角化ではない。それは、「食」で人々の日常に「よろこび」を提供し、「医」で生命の危機に瀕する人々に希望の光を灯し、「ヘルスサイエンス」で人々が健やかに生きる未来の土台を築くという、一貫した価値創造の物語である。3つの事業ドメインは、バラバラに存在するのではなく、「発酵・バイオテクノロジー」という共通のDNAによって結びつき、互いにシナジーを生み出しながら、より大きな社会価値の創出を目指している。
もちろん、その道のりは平坦ではない。新たな事業領域での収益化、グローバル経営の深化、そして絶えず変化する社会からの要請への対応など、乗り越えるべき課題は山積している。しかし、キリンはCSVという羅針盤を手に、未来への航海を続ける覚悟を決めている。
キリンが掲げるコーポレートスローガンは「よろこびがつなぐ世界へ」[96]。その「よろこび」とは、もはやビールを飲む楽しさだけを意味しない。それは、健康であることのよろこび、人と人がつながるよろこび、そして持続可能な地球環境を次世代につなぐよろこびでもある。この壮大なビジョンを実現できるか。その答えは、キリンがこれからも生命の神秘に謙虚に学び、社会の声に真摯に耳を傾け、挑戦を続けることができるかにかかっている。キリンという老舗企業が描く未来の物語は、まだ始まったばかりなのだ。
▶出典(96件)
- 豪州ナチュラルヘルス企業Blackmoresの子会社化(KIRIN 統合レポート2023, p.47)
- キリングループの経営根幹と成長方針(KIRIN 統合レポート2023, p.10)
- 2027年の目指す姿(KIRIN 統合レポート2023, p.8)
- キリングループが掲げる3つの事業領域(KIRIN 統合レポート2023, p.5)
- キリンビールの源流となった日本初の産業的ビール醸造所(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- 日本ビール産業の開拓者の革新的醸造技術(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- キリンビールの直接の前身企業(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- 明治屋を販売総代理店としてキリンビール誕生(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- 現在のキリンラガービールの原型となるラベルデザイン(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- 三菱財閥の支援で日本企業として再出発(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- キリングループの醸造哲学(KIRIN 統合レポート2023, p.4)
- 祖業の醸造技術を医薬・ヘルスサイエンスへ展開(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- ビール会社から医薬事業への挑戦(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- 医領域の事業説明(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- ヘルスサイエンス領域の事業説明(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- CSV経営誕生の直接的契機(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- CSV経営の継続期間(KIRIN 統合レポート2023, p.23)
- CSV経営の定義(KIRIN 統合レポート 2024, p.11)
- 長期経営構想「KV2027」のビジョン(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- CSVパーパス(KIRIN 統合レポート 2024, p.9)
- 価値創造モデルの目的(KIRIN 統合レポート 2024, p.11)
- 食領域(酒類事業)の事業説明(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- タップ・マルシェ導入飲食店舗数(KIRIN 統合レポート2023, p.79)
- 支援するクラフトブルワリー数(現在)(KIRIN 統合レポート 2024, p.29)
- 支援するクラフトブルワリー数(年内予定)(KIRIN 統合レポート 2024, p.29)
- 日本全体のクラフトビール市場規模(2021年比)(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- CSVパーパス重点課題「酒類メーカーとしての責任」の指針(KIRIN 統合レポート 2024, p.11)
- ノンアルコール製品販売数量伸長率(キリンビール)(KIRIN 統合レポート 2024, p.47)
- ノンアルコール製品売上高構成比目標(ライオン オーストラリア)(KIRIN 統合レポート 2024, p.47)
- スリランカ紅茶農園のRA認証取得支援農園数(小農園)(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- 日本産ホップ生産量(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- OECM認定サイト数(KIRIN 統合レポート 2024, p.28)
- キリングループのグループ経営理念(KIRIN 統合レポート 2024, p.11)
- 医領域のブランドアクション(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- 注力する疾患領域(KIRIN 統合レポート 2024, p.25)
- Crysvita上市国・地域数(KIRIN 統合レポート 2024, p.47)
- グローバル自販体制の確立(KIRIN 統合レポート 2024, p.25)
- Orchard買収完了(KIRIN 統合レポート 2024, p.7)
- 2030年に向けた新ビジョン(KIRIN 統合レポート 2024, p.25)
- Libmeldyの米国販売開始見込み(KIRIN 統合レポート 2024, p.25)
- ヘルスサイエンス領域の主力製品(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
- プラズマ乳酸菌関連基本特許の恩賜発明賞受賞(KIRIN 統合レポート2023, p.34)
- プラズマ乳酸菌の発見・事業化に対する文部科学大臣賞受賞(KIRIN 統合レポート2023, p.37)
- プラズマ乳酸菌シリーズ販売金額(KIRIN 統合レポート 2024, p.21)
- プラズマ乳酸菌採用商品数(KIRIN 統合レポート 2024, p.31)
- 「げんきな免疫プロジェクト」参加者(KIRIN 統合レポート 2024, p.28)
- HMO生産設備の製造開始(KIRIN 統合レポート2023, p.58)
- ヘルスサイエンス領域 事業利益 (2023年度実績)(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- 2023年度末時点のヘルスサイエンス事業の状況(KIRIN 統合レポート 2024, p.33)
- SBTネットゼロ認定取得(KIRIN 統合レポート2023, p.107)
- GHG排出量削減目標 (相対値) ネットゼロ(KIRIN 統合レポート2023, p.109)
- キリンビール全工場・全営業拠点の調達電力再生可能エネルギー比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.43)
- グループ全体の使用電力の再生可能エネルギー比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- GHG削減率目標(KIRIN 統合レポート 2024, p.12)
- 国内食品飲料・医薬品として初のTNFD Forum参加(KIRIN 統合レポート2023, p.110)
- TNFDβv0.1準拠のLEAPアプローチによる試行的開示(KIRIN 統合レポート2023, p.110)
- 椀子ヴィンヤードが自然共生サイトの認定相当に選定(KIRIN 統合レポート2023, p.110)
- 水ストレスが高い製造拠点における用水使用原単位目標(KIRIN 統合レポート 2024, p.27)
- 国内のPETボトルのリサイクル樹脂使用比率 目標(KIRIN 統合レポート2023, p.109)
- PETボトル用樹脂のリサイクル樹脂使用率(KIRIN 統合レポート 2024, p.9)
- キリンビールにおける紙製容器包装でのFSC認証紙または古紙の使用率(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- メルシャンにおける紙製容器包装でのFSC認証紙または古紙の使用率(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- 飲酒運転根絶に向けたハンドルキーパー運動動画制作(KIRIN 統合レポート 2024, p.14)
- 純アルコール量のラベル表示(ライオン)(KIRIN 統合レポート 2024, p.47)
- 人権方針の改定(KIRIN 統合レポート 2024, p.32)
- アルゼンチンブドウ果汁サプライチェーン第三者監査(KIRIN 統合レポート 2024, p.38)
- CSVパーパス重点課題「コミュニティ」の指針(KIRIN 統合レポート 2024, p.11)
- 「キリンファミリーチャレンジカップ」の開催会場数(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- 「キリンファミリーチャレンジカップ」参加者調査項目「人・社会とのつながり」イメージスコア(KIRIN 統合レポート 2024, p.48)
- 人財戦略ビジョン(KIRIN 統合レポート2023, p.29)
- 人事の基本理念(KIRIN 統合レポート2023, p.29)
- “One KIRIN” Values - 多様性(KIRIN 統合レポート 2024, p.9)
- 日本国内 女性経営職比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.9)
- 日本国内 キャリア採用比率目標(KIRIN 統合レポート 2024, p.12)
- キリングループ・アワード応募者延べ人数(KIRIN 統合レポート 2024, p.19)
- 越境体験としての副業経験人数(KIRIN 統合レポート 2024, p.19)
- エンゲージメント調査の持続可能なエンゲージメント(KIRIN 統合レポート 2024, p.19)
- DX道場受講者数(2023年末時点)(KIRIN 統合レポート 2024, p.22)
- 独立社外取締役比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.36)
- 女性取締役比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.36)
- 2022年取締役会での最重要議題(KIRIN 統合レポート2023, p.116)
- 2022年取締役会での重要課題(KIRIN 統合レポート2023, p.117)
- 2024年度からの取締役会議論記録(KIRIN 統合レポート 2024, p.34)
- 代表取締役CEOの基本報酬比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.37)
- 代表取締役CEOの中長期インセンティブ報酬比率(KIRIN 統合レポート 2024, p.37)
- ミャンマーからの撤退(KIRIN 統合レポート 2024, p.32)
- ROIC目標(KIRIN 統合レポート 2024, p.12)
- 配当性向(KIRIN 統合レポート2023, p.75)
- 2023年度の配当金(KIRIN 統合レポート 2024, p.45)
- キリングループ全体の売上収益 (2023年度実績)(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- 2023年事業利益(KIRIN 統合レポート 2024, p.4)
- 医薬事業利益(KIRIN 統合レポート 2024, p.46)
- 海外事業が占める事業利益の割合(KIRIN 統合レポート 2024, p.4)
- 協和発酵バイオの減益年数(KIRIN 統合レポート 2024, p.33)
- キリンHD連結従業員数 (2023年12月31日時点)(KIRIN 統合レポート 2024, p.8)
- キリングループのコーポレートスローガン(「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル)
使用データ一覧
| コンテキスト | 年度 | 値 | 出典 |
|---|---|---|---|
豪州ナチュラルヘルス企業Blackmoresの子会社化 | 2023年 | 子会社化手続きを進めることを発表 | KIRIN 統合レポート2023 p.47 |
キリングループの経営根幹と成長方針 | 2023年 | キリングループはCSVを経営の根幹に据え、社会と共に持続的な成長を実現していきます。 | KIRIN 統合レポート2023 p.10 |
2027年の目指す姿 | 2023年 | 食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる。 | KIRIN 統合レポート2023 p.8 |
キリングループが掲げる3つの事業領域 | 2023年 | 3 つ | KIRIN 統合レポート2023 p.5 |
キリンビールの源流となった日本初の産業的ビール醸造所 | 2024年 | 1870年、横浜山手にスプリングバレー・ブルワリー開設 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
日本ビール産業の開拓者の革新的醸造技術 | 2024年 | コープランドは天沼の湧水と水車動力を活用し、パスツール低温殺菌技術を発表翌年に導入 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
キリンビールの直接の前身企業 | 2024年 | 1885年7月、ジャパン・ブルワリー・カンパニー設立 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
明治屋を販売総代理店としてキリンビール誕生 | 2024年 | 1888年、「キリンビール」が全国発売 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
現在のキリンラガービールの原型となるラベルデザイン | 2024年 | 1889年、グラバーの提案で麒麟ラベルを大きくデザイン変更 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
三菱財閥の支援で日本企業として再出発 | 2024年 | 1907年2月、麒麟麦酒株式会社設立 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
キリングループの醸造哲学 | 2023年 | 生への畏敬 N/A | KIRIN 統合レポート2023 p.4 |
祖業の醸造技術を医薬・ヘルスサイエンスへ展開 | 2024年 | 100年以上にわたり磨いてきた発酵・バイオテクノロジーがコアコンピタンス | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
ビール会社から医薬事業への挑戦 | 2024年 | 1982年に医薬事業研究開発部を新設、1990年に医薬品第一号を発売 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
医領域の事業説明 | 2024年 | ビール製造で培った微生物・細胞の研究から発展した技術にバイオテクノロジーを掛け合わせ、1980年代に医薬品の研究開発を開始しました。今ではグループの主要事業にまで発展し、バイオ医薬品を中心としてグローバルに事業を展開しています。 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
ヘルスサイエンス領域の事業説明 | 2024年 | 食領域における自然由来の原料や、発酵・培養の研究を進める中で、プラズマ乳酸菌をはじめとした身体に有用な物質を数多く発見してきました。これらの資産を活用し、今後のグループの成長の柱として育成していく事業領域です。 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
CSV経営誕生の直接的契機 | 2024年 | 2011年東日本大震災での仙台工場被災と復興がCSV経営の転換点 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
CSV経営の継続期間 | 2023年 | 10 年 | KIRIN 統合レポート2023 p.23 |
CSV経営の定義 | 2024年 | 「CSV」とは、Creating Shared Value(共通価値の創造)の略で、2011年にハーバード大学のマイケル E. ポーター教授とマーク R. クラマー氏が提唱した概念です。社会的なニーズや社会問題の解決に取り組むことで社会的価値の創出と経済的価値の創出を実現し、成長の次なる推進力にしていくという考え方です。 | KIRIN 統合レポート 2024 p.11 |
長期経営構想「KV2027」のビジョン | 2024年 | 食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
CSVパーパス | 2024年 | KV2027の長期非財務目標として、社会と価値を共創し持続的に成長するための指針 | KIRIN 統合レポート 2024 p.9 |
価値創造モデルの目的 | 2024年 | イノベーションで社会課題の解決を、得た利益を再投資することで、社会課題の解決と企業価値の向上を拡大・再生産していくこと | KIRIN 統合レポート 2024 p.11 |
食領域(酒類事業)の事業説明 | 2024年 | 祖業であるビール事業を中心に、現在も基盤となる事業領域です。1990年代以降にはアジア・オセアニアを中心にグローバル展開を加速させ、高い付加価値を有するブランドを数多く製造・販売しています。 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
タップ・マルシェ導入飲食店舗数 | 2023年 | 10000 店 | KIRIN 統合レポート2023 p.79 |
支援するクラフトブルワリー数(現在) | 2024年 | 30 社 | KIRIN 統合レポート 2024 p.29 |
支援するクラフトブルワリー数(年内予定) | 2024年 | 40-50 社 | KIRIN 統合レポート 2024 p.29 |
日本全体のクラフトビール市場規模(2021年比) | 2024年 | 115 % (2021年比) | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
CSVパーパス重点課題「酒類メーカーとしての責任」の指針 | 2024年 | 全ての事業展開国で、アルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを着実に進展させる。(Zero Harmful Drinking) | KIRIN 統合レポート 2024 p.11 |
ノンアルコール製品販売数量伸長率(キリンビール) | 2024年 | 87 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.47 |
ノンアルコール製品売上高構成比目標(ライオン オーストラリア) | 2024年 | 7 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.47 |
スリランカ紅茶農園のRA認証取得支援農園数(小農園) | 2024年 | 620 農園 | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
日本産ホップ生産量 | 2024年 | 78 t | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
OECM認定サイト数 | 2024年 | 122 カ所 | KIRIN 統合レポート 2024 p.28 |
キリングループのグループ経営理念 | 2024年 | キリングループは、自然と人を見つめるものでづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します | KIRIN 統合レポート 2024 p.11 |
医領域のブランドアクション | 2024年 | アンメット・メディカルニーズを満たす医薬品の提供 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
注力する疾患領域 | 2024年 | 骨・ミネラル、血液がん・難治性血液疾患、希少疾患 | KIRIN 統合レポート 2024 p.25 |
Crysvita上市国・地域数 | 2024年 | 46 ヵ国・地域 | KIRIN 統合レポート 2024 p.47 |
グローバル自販体制の確立 | 2024年 | 確立 | KIRIN 統合レポート 2024 p.25 |
Orchard買収完了 | 2024年 | 完了 | KIRIN 統合レポート 2024 p.7 |
2030年に向けた新ビジョン | 2024年 | 協和キリンは、イノベーションの情熱と多様な個性が輝くチームの力で、日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして病気と向き合う人々に笑顔をもたらすLife-changingな価値の継続的な創出を実現します。 | KIRIN 統合レポート 2024 p.25 |
Libmeldyの米国販売開始見込み | 2024年 | 販売開始見込み | KIRIN 統合レポート 2024 p.25 |
ヘルスサイエンス領域の主力製品 | 2024年 | 世界初のpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働く乳酸菌を発見、iMUSEブランド展開 | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
プラズマ乳酸菌関連基本特許の恩賜発明賞受賞 | 2023年 | 1 件 | KIRIN 統合レポート2023 p.34 |
プラズマ乳酸菌の発見・事業化に対する文部科学大臣賞受賞 | 2023年 | 文部科学大臣賞 | KIRIN 統合レポート2023 p.37 |
プラズマ乳酸菌シリーズ販売金額 | 2024年 | 200 億円 | KIRIN 統合レポート 2024 p.21 |
プラズマ乳酸菌採用商品数 | 2024年 | 59 商品 | KIRIN 統合レポート 2024 p.31 |
「げんきな免疫プロジェクト」参加者 | 2024年 | 26企業・1団体・4自治体 | KIRIN 統合レポート 2024 p.28 |
HMO生産設備の製造開始 | 2023年 | 開始 | KIRIN 統合レポート2023 p.58 |
ヘルスサイエンス領域 事業利益 (2023年度実績) | 2024年 | -125 億円 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
2023年度末時点のヘルスサイエンス事業の状況 | 2024年 | 明確な成果が出ておらず なし | KIRIN 統合レポート 2024 p.33 |
SBTネットゼロ認定取得 | 2023年 | 2022 年 | KIRIN 統合レポート2023 p.107 |
GHG排出量削減目標 (相対値) ネットゼロ | 2023年 | ネットゼロ N/A | KIRIN 統合レポート2023 p.109 |
キリンビール全工場・全営業拠点の調達電力再生可能エネルギー比率 | 2024年 | 100 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.43 |
グループ全体の使用電力の再生可能エネルギー比率 | 2024年 | 27 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
GHG削減率目標 | 2024年 | 23 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.12 |
国内食品飲料・医薬品として初のTNFD Forum参加 | 2023年 | 参加 | KIRIN 統合レポート2023 p.110 |
TNFDβv0.1準拠のLEAPアプローチによる試行的開示 | 2023年 | 実施 | KIRIN 統合レポート2023 p.110 |
椀子ヴィンヤードが自然共生サイトの認定相当に選定 | 2023年 | 選定 | KIRIN 統合レポート2023 p.110 |
水ストレスが高い製造拠点における用水使用原単位目標 | 2024年 | 3.0kl/kl以下 kl/kl | KIRIN 統合レポート 2024 p.27 |
国内のPETボトルのリサイクル樹脂使用比率 目標 | 2023年 | 50 % | KIRIN 統合レポート2023 p.109 |
PETボトル用樹脂のリサイクル樹脂使用率 | 2024年 | 38 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.9 |
キリンビールにおける紙製容器包装でのFSC認証紙または古紙の使用率 | 2024年 | 100 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
メルシャンにおける紙製容器包装でのFSC認証紙または古紙の使用率 | 2024年 | 100 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
飲酒運転根絶に向けたハンドルキーパー運動動画制作 | 2024年 | true N/A | KIRIN 統合レポート 2024 p.14 |
純アルコール量のラベル表示(ライオン) | 2024年 | 100 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.47 |
人権方針の改定 | 2024年 | 1 件 | KIRIN 統合レポート 2024 p.32 |
アルゼンチンブドウ果汁サプライチェーン第三者監査 | 2024年 | 実施 なし | KIRIN 統合レポート 2024 p.38 |
CSVパーパス重点課題「コミュニティ」の指針 | 2024年 | 人と人とのつながりを創り、「心と体」に、そして「社会」に前向きな力を創り出す。 | KIRIN 統合レポート 2024 p.11 |
「キリンファミリーチャレンジカップ」の開催会場数 | 2024年 | 2 会場 | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
「キリンファミリーチャレンジカップ」参加者調査項目「人・社会とのつながり」イメージスコア | 2024年 | 97.8 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.48 |
人財戦略ビジョン | 2023年 | 人財が育ち、人財で勝つ | KIRIN 統合レポート2023 p.29 |
人事の基本理念 | 2023年 | 人間性の尊重 | KIRIN 統合レポート2023 p.29 |
“One KIRIN” Values - 多様性 | 2024年 | 個々の価値観や視点の違いを認め合い、尊重する気持ち。社内外を問わない建設的な議論により、「違い」が世界を変える力、より良い方法を生み出す力に変わるという信念 | KIRIN 統合レポート 2024 p.9 |
日本国内 女性経営職比率 | 2024年 | 15 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.9 |
日本国内 キャリア採用比率目標 | 2024年 | 30 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.12 |
キリングループ・アワード応募者延べ人数 | 2024年 | 10890 人 | KIRIN 統合レポート 2024 p.19 |
越境体験としての副業経験人数 | 2024年 | 69 人 | KIRIN 統合レポート 2024 p.19 |
エンゲージメント調査の持続可能なエンゲージメント | 2024年 | 70 | KIRIN 統合レポート 2024 p.19 |
DX道場受講者数(2023年末時点) | 2024年 | 1800 人 | KIRIN 統合レポート 2024 p.22 |
独立社外取締役比率 | 2024年 | 58.33 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.36 |
女性取締役比率 | 2024年 | 25.0 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.36 |
2022年取締役会での最重要議題 | 2023年 | 事業ポートフォリオの最適化 | KIRIN 統合レポート2023 p.116 |
2022年取締役会での重要課題 | 2023年 | N/A N/A | KIRIN 統合レポート2023 p.117 |
2024年度からの取締役会議論記録 | 2024年 | true | KIRIN 統合レポート 2024 p.34 |
代表取締役CEOの基本報酬比率 | 2024年 | 30 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.37 |
代表取締役CEOの中長期インセンティブ報酬比率 | 2024年 | 40 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.37 |
ミャンマーからの撤退 | 2024年 | 1 件 | KIRIN 統合レポート 2024 p.32 |
ROIC目標 | 2024年 | 10 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.12 |
配当性向 | 2023年 | 40 % | KIRIN 統合レポート2023 p.75 |
2023年度の配当金 | 2024年 | 71.0 円 | KIRIN 統合レポート 2024 p.45 |
キリングループ全体の売上収益 (2023年度実績) | 2024年 | 21344 億円 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
2023年事業利益 | 2024年 | 過去最高 N/A | KIRIN 統合レポート 2024 p.4 |
医薬事業利益 | 2024年 | 960 億円 | KIRIN 統合レポート 2024 p.46 |
海外事業が占める事業利益の割合 | 2024年 | 半分以上 % | KIRIN 統合レポート 2024 p.4 |
協和発酵バイオの減益年数 | 2024年 | 2 年連続 | KIRIN 統合レポート 2024 p.33 |
キリンHD連結従業員数 (2023年12月31日時点) | 2024年 | 30183 人 | KIRIN 統合レポート 2024 p.8 |
キリングループのコーポレートスローガン | 2024年 | よろこびがつなぐ世界へ | 「生への畏敬」によって培われた統合的アプローチ | キリンジャーナル |
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