製薬・ヘルスケア業界のMVV事例(1社)
製薬・ヘルスケア企業が掲げるミッション・ビジョン・バリューを分析。患者への貢献を核とした理念が、長期的な研究開発投資や事業戦略にどう影響しているかを解説します。
医療・ヘルスケアのMVV傾向
製薬・ヘルスケア業界のMVVは、患者への貢献を明確に掲げる点が最大の特徴です。「先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献」(アステラス)、「Happiness with Vision」(参天製薬)のように、事業領域と社会的使命を直結させた表現が多く見られます。製薬企業では10年以上の研究開発期間が一般的であり、MVVが長期投資を正当化し、アンメットニーズへの挑戦を促す判断軸として機能しています。
データベース:医療・ヘルスケアの上場企業1社のIR/ESGレポートを分析中
掲載企業:1社(随時追加)
更新頻度:月次更新
企業事例
医療・ヘルスケアの代表的な企業のMVVと、理念に基づく具体的な取り組みを紹介します。
参天製薬
MVV・理念体系
参天製薬の使命
患者さんや人々の健康の増進に貢献すること
参天製薬の重要なミッション
高品質な製品を安定的に供給し続けること
参天製薬の使命
眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、患者さんや社会に新たな価値を提供し続けること
Santen 健康宣言のビジョン
私たちの健康と幸せが、世界中の人々の『Happiness with Vision』の実現につながっています
参天製薬のビジョン
人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献
理念に基づく具体的な取り組み
眼科製品の年間生産能力
4億本
「Happiness with Vision」を掲げる参天製薬の年間4億本の生産能力は、眼科領域に特化したMVVが、圧倒的な供給体制という具体的な強みに結びついていることを示しています。
ドライアイ治療剤の点眼非遵守率
59.8%
約6割の患者が点眼を適切に行えていないというデータは、参天が「視覚を通じた幸福」のために解決すべきアンメットニーズの大きさを示しています。
医療・ヘルスケアのMVV策定ポイント
- 患者貢献を核としつつ、自社の強み(特定疾患領域、技術基盤)を反映させることで差別化できます。
- 長期的な研究開発投資をMVVで正当化することで、短期的な収益圧力に抗する判断基準を持てます。
- グローバルな医薬品アクセス問題に対する姿勢をMVVに含めることで、ESG評価の向上にもつながります。
- 「治療から予防へ」「薬からヘルスケアソリューションへ」など、事業ドメインの拡張方向をMVVで示すことができます。
MVVの基礎についてはMVVとは?で詳しく解説しています。
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よくある質問
- 製薬企業のMVVにはどのような特徴がありますか?
- 製薬企業のMVVは、患者への貢献を明確に掲げる点が特徴的です。「先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献」(アステラス)のように、事業領域と社会的使命を直結させた表現が多く見られます。
- 製薬業界のMVVはR&D投資にどう影響しますか?
- MVVが「アンメットニーズへの挑戦」を含む企業は、短期的な収益性より社会的インパクトを重視した研究開発投資を行う傾向があります。エーザイのアルツハイマー病治療薬への40年にわたる投資は、その象徴的な事例です。
- 製薬企業がMVVを策定する際の注意点は?
- 製薬企業のMVVは、「患者のために」という普遍的なメッセージに加え、自社独自の強み(特定の疾患領域、技術プラットフォーム等)を反映させることが重要です。差別化と普遍性のバランスが鍵となります。