MVV浸透施策ベストプラクティス
策定したMVVを組織に浸透させるための具体的な施策を解説。評価制度との連動、日常業務への組み込み、成功企業の実例を紹介します。
MVVを策定しても、社員の行動が変わらなければ意味がありません。当サイトで分析した企業の中で、MVVが実際に機能している企業には共通点があります。それは、理念を「知っている」状態から「日常的に使っている」状態へ引き上げる仕組みを持っていることです。本記事では、MVV浸透施策のベストプラクティスをカテゴリ別に紹介します。
データベース:日本の上場企業31社以上のIR/ESGレポートを分析中
掲載企業:31社(随時追加)
更新頻度:月次更新
制度設計による浸透
最も効果的なMVV浸透施策は、人事制度や評価制度にMVVの要素を組み込むことです。「MVVに基づいた行動」を評価項目に入れることで、社員は自然とMVVを意識するようになります。
具体的な施策としては、行動評価にバリュー項目を追加する、MVV体現者を表彰する制度を設ける、昇格要件にMVVの実践度を含める、などがあります。
注意点として、MVV評価は定性的になりがちなので、具体的な行動指標(ビヘイビアインジケーター)を設定することが重要です。「バリューXを体現した行動とは何か」を具体的に定義しておきます。
エーザイ株式会社
エーザイは全社員がビジネス時間の1%を患者との対話に充てる制度を導入しています。理念を具体的な時間配分に落とし込むことで、全社員がhhc理念を体験する仕組みを作っています。
人材開発施策とWevoxデータの活用
各種人材開発施策、Wevoxデータの活用、1on1の積極推進
エンゲージメント調査ツール(Wevox)でhhc理念の浸透度を定量測定し、1on1で個人レベルの浸透を促進。制度・ツール・対話の3層で浸透を推進する体制は、MVV浸透施策の模範例です。
hhc活動のグローバル年間実施数
500件以上
「ビジネス時間の1%を患者との対話に充てる」制度をグローバルで展開し、年間500件超の活動に結実。MVVを「知識」から「体験」に変換する制度設計がエーザイの浸透戦略の核です。
日常業務への組み込み
MVVを特別なイベントとしてではなく、日常業務の一部として組み込むことが持続的な浸透の鍵です。会議の冒頭で「この議題は我々のミッションにどう関係するか」を確認する、提案書のフォーマットにMVVとの整合性を記載する欄を設ける、といった仕組みが効果的です。
新規プロジェクトの承認プロセスにMVVとの整合性チェックを組み込む企業もあります。「このプロジェクトは我々のビジョンの実現にどう貢献するか」という問いを制度化することで、意思決定の軸としてMVVが機能します。
コミュニケーション施策
社内コミュニケーションの中にMVVを自然に織り込むことも重要です。ただし、ポスター掲示やスローガン唱和だけでは効果は限定的です。
効果的な手法としては、経営トップがMVVに基づいた判断の理由を発信すること、MVVを体現した社員のストーリーを社内で共有すること、MVVに関する対話の場(タウンホールミーティングなど)を設けることが挙げられます。
経営層自身が「この判断はMVVに基づいている」と明言することが、最も強力なメッセージとなります。言行不一致は浸透を妨げる最大の障害です。
効果測定
MVV浸透施策の効果を測定し、改善サイクルを回すことが持続的な浸透に不可欠です。「認知度」「理解度」「共感度」「行動への反映度」の4段階で測定することを推奨します。
従業員エンゲージメント調査にMVV関連の質問を組み込むのが最も一般的な方法です。「自社のMVVを自分の言葉で説明できるか」「日常業務でMVVを意識しているか」「MVVが意思決定の基準になっているか」といった質問で定点観測します。
関連するガイド
よくある質問
- MVV浸透で最も効果的な施策は?
- 評価制度・人事制度とMVVを連動させることが最も効果的です。行動評価にMVVの要素を組み込むことで、社員が日常的にMVVを意識する仕組みを作れます。エーザイの「ビジネス時間の1%を患者との対話に充てる」制度はその好例です。
- MVV浸透の効果をどう測定しますか?
- 従業員エンゲージメント調査にMVV関連の質問を組み込む方法が一般的です。「自社のMVVを説明できるか」「日常業務でMVVを意識しているか」「MVVが意思決定の基準になっているか」などの指標で定点観測します。
- MVV浸透が進まない原因は?
- 経営層が自らMVVに基づいた行動を示さない「言行不一致」が最大の障害です。また、MVVが抽象的すぎて現場の業務に接続できない場合や、浸透施策が一過性のイベントに留まる場合も効果が出ません。