企業の理念体系は、その存在意義、目指す姿、そして行動指針を示す羅針盤です。単なる美しい言葉の羅列ではなく、企業の戦略、組織文化、そして最終的な競争優位性やブランド価値に深く根ざすものとして、現代のビジネス環境においてその重要性はますます高まっています。
本稿では、Fringe81株式会社から社名変更したUnipos株式会社の理念、「最高の集団を自らつくる」時代をつくる、に焦点を当てます。この理念が、同社の競争力強化やブランドイメージ構築にどのように貢献しているのかを、ビジネス誌編集者の視点から分析・解説します。
Unipos株式会社は、2021年10月1日にFringe81株式会社から社名変更しました。提供された情報からは、社名変更の具体的な背景やFringe81時代の事業詳細を深く知ることはできませんが、現在のUnipos株式会社として掲げている「「最高の集団を自らつくる」時代をつくる」という理念(タグライン)は、同社の事業内容と深く結びつき、その競争優位性およびブランド価値の源泉となっていると推測できます。
まず、「最高の集団を自らつくる」という言葉が示唆するところを考えてみましょう。これは、組織が外部からの指示や既存の枠組みに依存するのではなく、そこで働く一人ひとりが主体的に関与し、相互に協力し合いながら、理想とする組織を自らの手で創り上げていくという強い意志を表しています。
この理念は、単に「仲が良い組織」や「優秀な人材を集めた組織」を目指すのではなく、組織を構成する個々人が自律的に成長し、互いを認め合い、貢献し合うことで、組織全体として常に進化し続ける「最高の状態」を目指す、という能動的かつ継続的なプロセスを重視していると解釈できます。これは、現代のVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)時代において、変化に柔軟に対応し、持続的なイノベーションを生み出すために不可欠な組織のあり方と言えるでしょう。
「最高の集団を自らつくる」という理念は、Uniposの競争優位性に多方面から貢献しています。
まず、同社が提供しているサービスが、まさにこの理念を実現するためのツールであるという点が挙げられます。Uniposは、従業員同士が日々の貢献に感謝の気持ちと少額の成果給(ピアボーナス)を送り合うことができるSaaS(Software as a Service)です。このサービスは、組織内のコミュニケーションを活性化し、互いの貢献を「見える化」し、称賛し合う文化を醸成することで、従業員のエンゲージメントを高め、組織の一体感を強化します。つまり、Uniposは自社の理念である「最高の集団を自らつくる」ことを、顧客企業の組織でも実現できるよう支援する事業を展開しているのです。自社の理念を自社のプロダクト・サービスに体現していることは、事業への深い理解と情熱を示し、プロダクト自体の説得力と競争力を高めます。
次に、この理念は、Unipos自身の組織文化を形成し、人材面での競争優位性を生み出します。自律性と相互貢献を重視する文化は、優秀な人材を引きつけ、定着させる上で強力な磁力となります。特に、変化の速いSaaS業界においては、従業員の創造性、問題解決能力、チームワークがプロダクト開発力や顧客サポートの質に直結します。「最高の集団」を目指す組織では、従業員がオーナーシップを持って業務に取り組み、建設的なフィードバックや協力を自然に行うため、プロダクトの継続的な改善や顧客満足度の向上に繋がります。これは、他社が容易に模倣できない、組織内部から生まれる持続的な競争力となります。
「最高の集団を自らつくる」という理念は、Uniposのブランド価値構築にも大きく寄与しています。
対外的なブランドイメージとして、この理念はUniposを「従業員を大切にし、自律的な組織文化を重視する先進的な企業」として位置づけます。これは、顧客企業に対して、単にツールを提供するだけでなく、組織変革のパートナーとしての信頼感を与えます。また、社会全体に対して、新しい時代の働き方や組織のあり方を提案するリーダーとしてのイメージを醸成します。
採用ブランディングにおいては、この理念は特に大きな力を発揮します。現代の求職者、特に若い世代は、給与や役職だけでなく、企業の文化や働く意義を重視する傾向があります。「最高の集団を自らつくる」という理念は、「この会社に入れば、自分も組織づくりに主体的に関われる」「互いに高め合える仲間がいる」といった期待感を抱かせ、優秀で主体性のある人材の応募を促します。これは、人材獲得競争が激化する中で、企業にとって非常に重要なブランド価値となります。
さらに、自社が提供するサービス(UniposというピアボーナスSaaS)が、自社の理念を実現するためのものであるという一貫性は、ブランドの信頼性と透明性を高めます。「私たちは、自分たちが信じる組織のあり方を、まず自分たちの会社で実践しています」というメッセージは、顧客や市場からの共感を呼び、ブランドへの愛着(ブランド・ロイヤリティ)を育む土壌となります。
Unipos株式会社の「「最高の集団を自らつくる」時代をつくる」という理念は、提供された情報からは短いフレーズですが、その内包する意味は深く、同社の競争優位性とブランド価値の双方に力強く貢献しています。
この理念は、SaaSという事業特性と密接に結びつき、組織内部の活性化を通じてプロダクト・サービスの質を高め、変化への対応力を強化するという競争優位性を生み出しています。同時に、主体性や相互貢献を重視する企業姿勢は、顧客や求職者からの信頼と共感を獲得し、魅力的なブランドイメージを構築しています。
Uniposの事例は、企業理念が単なる額縁の中の標語ではなく、事業活動の中核に据えられ、組織文化として浸透することで、企業の持続的な成長を支える強力なエンジンとなることを示唆しています。特に、不確実性の高い現代においては、明確で共感を呼ぶ理念こそが、企業を正しい方向に導き、競争を勝ち抜くための重要な鍵となるのです。
就職活動中の学生にとっては、企業の理念が自身の価値観と合致するかを見極める重要な基準となるでしょう。また、企業のマーケティング・ブランディング担当者やマネージャー層にとっては、理念をいかに組織全体に浸透させ、事業活動と結びつけるかが、競争力強化とブランド構築の要であることを改めて認識する示唆に富む事例と言えます。
「最高の集団を自らつくる」時代をつくる
組織集団は、目的達成のために存在します。\\nこの中で重要なのは、集団を構成する個人の主体性とアイデアが十分に発揮され、\\n一人ひとりの「らしさ」が認められることです。\\nまた、「他者のらしさや規範を尊重し合う関係性」も不可欠です。\\n「個人のらしさ」と「組織集団が大事にすること」ー この2つが共存する環境から、\\n集団ならではの共創が生まれ、新たな価値が創出されます。\\n\\n各集団が自らの目的に前向きに取り組み続けている状態、\\nこれこそが私たちの考える「最高の集団を自らつくる」ということです。\\nこの状態が当たり前となる時代をつくること。それが私たちのパーパスです。\\nしかし、Unipos社だけでは実現できません。\\n全てのステークホルダーの皆さまと共に、この新しい時代を創造していきたいと考えています。\\n一緒にムーブメントを起こし、新しい時代をつくりましょう。\\nそして、時代が変わったその時、共に喜びを分かち合いましょう。
Be an Explorer
探検家たれ。\\n\\nわたしたちは先人の探検家たちが見つけた「未知」に熱狂し、魅了されてきました。\\nそして今、わたしたちは、「感情報酬」という未踏の新大陸を発見しました。\\n\\n誰も明らかにしていなかった、社会や組織を動かすきっかけとなる、ひとりひとりの行動。\\n本気の感情の交流を、感情報酬で増幅することができれば、きっと社会や組織は良い方向に変わっていく。\\n\\nこの新大陸は大きく、そして未知の領域が大きい。きっと探検や開拓には困難も伴う。\\nそれを乗り越えるには、\\n相手の視点を想像し、共創し\\n顧客を基点に問い続け\\n意思をもって決断し道を切り開き\\n変化を信じ、挑戦を支援する挑戦者となる\\nこういった行動ができる、探検家集団でなければならない。\\n\\n感情報酬を社会実装し、最後には社会の基盤とする。\\n我々は、壮大な未知なる大陸、つまりミッションを探検し、挑戦し続ける探検家でありたい。
感情報酬を社会基盤に
私たちは、ミッションをパーパス実現のための手段と位置づけ、その中で感情報酬は「集団と個人、個人と個人をつなぐコミュニケーションの土台」として定義しています。\\n組織集団に属する意義は、労働対価としての金銭的報酬を超えたところにあります。それは、集団としての目的を共に成し遂げたいというポジティブな感情であり、相互尊重の気持ちであり、達成を共に喜び合えるような深いつながりです。\\nこのような感情報酬を社会基盤とすることで、私たちは「最高の集団を自らつくる」時代の実現へと近づけると確信しています。
わたしたちはプロダクトカンパニーとして、\\nお客様が実現したい理想、感じている課題、プロダクトに触れた感想などに対して、常に高い興味と感度を持っています。\\n常にお客様の情報を基点に仮説を構築していくことで、時にはお客様が気づいていない課題の本質を明らかにしたり、\\n声にならないニーズを捉え具現化していくのが私達の使命です。\\nどのような役割を担うメンバーであっても、常にお客様の情報一つ一つを大事にし、\\nhとりひとりが思考し解釈し問い続けることから、より多くのお客様に価値を届けていきます。
不確実な世の中で、新しい価値を生み出し、それを社会基盤にしていくためには、\\n精度の高い意思決定とそれを実現するスピードが求められます。\\nただし、一部の人間が意思決定し、それを他が遂行するというのでは、\\n大きな目標に最速で到達するほどの推進力は生まれません。\\nhとりひとりが考え、自分の意思を持って決断した上で、前に進む集団の一員に加わってこそ、\\n大きな推進力になっていきます。\\nわたしたちは、自身の意思を臆することなく表明しあい、誰が掲げた旗かではなく、\\n旗が掲げる道やゴールを尊重して議論を行い、意思決定をし続けます。\\nそして自社・お客様・社会すべてにとって最善な三方良しの道を、ひとりひとりが常に問い続け、切り拓きます。
わたしたちは、これまでにない新たな価値を世の中に問うにあたり、\\n常にチームとして、組織として力を発揮する必要があります。\\nそのためには、\\nhとりひとりが自分以外の相手の思考やその考えに至った背景・価値観を相手以上に想像しながら対話しあい、\\n自分に閉じず柔軟に受け入れ、共に価値を生み出すべく進まねばなりません。\\n想像力を駆使するのは、仲間同士だけではなく、わたしたちのお客さまやその先で働く従業員の方々についても同様です。\\nそういった”相手への想像力”を働かせることで、チームがより有機的につながり、\\n本音を引き出し合うことでより早いスピードで大きな価値を生み出せると信じて行動します。
わたしたちは、創業以来さまざまな事業や組織のありかたに挑戦し、\\nその挑戦をお互いに助け合い、未開の地を目指してきました。\\nそんな、お互いの挑戦を鼓舞しあい、称え合ってきたわたしたちだからこそ、\\n世の中で挑戦をしている様々な人を支援できるサービス・プロダクトを提供できるという確信があります。\\nわたしたちはいつも、どんな人や組織でも必ず変化ができると信じています。\\nhとりひとりが自分自身の変化や成長に貪欲になると同時に、一緒に働く仲間やお客さまが変化を求めているときには、\\n全力でその挑戦を讃え、手を差し伸べ、背中を押し、そのムーブメントを増幅する役割を全うします。
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